2021/03/21
コロナと五輪
 20日夜、五輪、パラリンピックの海外客受け入れ断念が決まった。IOC、IPC(国際パラリンピック委員会)、日本の組織委員会、政府、東京都の5者会議での決定。これで関係者は、25日に聖火リレーが始まり、関係者は大会ムードを高めるのに躍起だ。
 2度目のコロナ緊急事態宣言が21日で解除されるのに併せて、「官邸サイドはためらっていたが、最終的に組織委の判断を受け入れた」(同、東京)という。要するに、「中止封じ最優先」(21日、毎日)の決定である。
 朝日が新聞通信調査会が昨年12月から今年1月にかけて米仏中韓タイの5カ国で、各国1000人に聞いた「対日メディア世論調査」を掲載している。コロナ感染症が収束しない中での五輪開催について、「中止すべきだ」「延期すべきだ」の合計は、タイ95・6%、韓国94・7%、中国82・1%、米国74・4%、フランス70・6%、平均すると、83・4%だった。同調査会が昨年11月に聞いた日本国内の意見(3064人)は、「中止・延期」は71・9%。
 「自粛」を要請しながら、終わるとGoToキャンペーンに走り、感染が止まらない状況に、医療団体が揃って「これでは医療が崩壊する」と悲鳴をあげたのを受けて再度の「宣言」、そして「延長」。しかし、「必ずしも効果は上がっていない」として「解除した中で引き締めを」と、21日解除。
 既にさまざまな「変異ウイルス」が広がり、日本での変異さえ伝えられているのに、ここでも、「検査・調査の拡大」「ワクチンの自主開発」「ベッド増、スタッフ増」など必要な「対策」は見えていない。
 「収入を確保したいIOC,菅義偉政権浮揚の切り札にしたい政府と言った思惑が透けて見え、組織委幹部の放言も重なって世論は冷え切っている」(21日朝日、稲垣康介編集委員)状況の中で。この「決断」でいいのだろうか。
(了)
2021/03/13
原発災害から10年。福島の人々から学ぶ。
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追悼のキャンドルのカップには、それぞれの思いが描かれていた
福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で(2021/03/11)
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から10年。発生の日の3月11日は各地で追悼行事が行われ、犠牲になった人々への鎮魂の祈りがささげられた。行方不明者の捜索は現在も続いている。
 午後2時46分。原発事故対策の拠点だった福島県の「Jヴィレッジ」(楢葉、広野町)では、グラウンドに親子連れや若者らが集まり、1分間の黙とうをささげた。同所での復興追悼イベントを企画した一般社団法人「ラブフォーニッポン」(東京)代表理事でアーティストのキャンドルジュンさん(47)は、「自分には被災した人の気持ちは分かりません。分からないこそ、福島に来ます。今日だけでも楽しかった、平和な日だった、と感じる日をみんなでつくり、それを365日に増やしていきたい」と呼びかけた。キャンドルジュンさんは、月命日の11日は福島の人々と過ごし、鎮魂の祈りを込めてろうそくに明かりを灯す「キャンドルナイト」の活動を続けている。
 双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館でも、追悼の行事があった。伝承館は、原発事故の教訓を後世に伝える目的で、大津波に襲われた地に建てられた。だが、来館者らからは「原発は絶対安全と言ってきた方々の反省の弁がない」など、批判の声もあがっている。
 原発事故では、6基ある原子炉のうち3基に炉心溶融が起き、世界最悪のレベルの大事故となった。伝承館には事故の経過を説明する展示や動画はあっても、それまでの災害対策の不備を検証する内容はほとんどない。ちょうど翌12日夜、映画「Fukushima50」(若松節朗監督)がテレビで放映され、映画を見ると電源喪失で原子炉の冷却機能が失われ、発電所内が停電し、計器類が機能不全に陥った様子がリアルに再現されていた。そうした大惨事に至った原因をきちんと提示し、原子力を「明るい未来のエネルギー」「二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー」と豪語してきた国の過ちをただすことが、伝承館の役割の一つではないのか。
 双葉町の犠牲者は、関連死を含めて175人。震災時は7140人が住んでいた。全域に避難指示が出され、役場の機能も一時、埼玉県加須市(旧騎西高校)に移転。いまなお全住民が避難生活を強いられる。しかも、双葉町と隣接の大熊町には、県内の「除染土」の中間貯蔵施設が設けられている。全国各地から集められた作業員が、放射性物質を含んだ表土を薄くはぎ取ったものが除染土だ。環境省によると、中間貯蔵施設への搬入は7割ほど進んだが、「県外での最終処分(期限は2045年)への理解は全国的に低い」という。
 東電の原子力発電所(福島の第1、第2、新潟の柏崎刈羽)でつくられた電気を大量消費してきたのは東京の人間だ。その事実を意識すれば、少なくとも都民にとって原発事故は「他人事」ではない。
 福島の人々から学ぶ。これからでも遅くはない。

2021/03/04
テレビよ いつまで政権にひれ伏しているのか!
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3.22放送記念日シンポジウム・オンライン集会 ご案内

――独立行政委員会制度の可能性 ――

3月22日(月)14時~16時 オンライン集会
(参加費無料 先着80名まで)
参加申し込み用フォーム
集会のZOOM URLは後日お知らせします
基調報告とコーディネーター
パネラー砂川浩慶(立教大学教授・メディア総研所長)
山口二郎(法政大学教授・市民連合呼びかけ人)
長井 暁(ジャーナリスト・元NHKプロデューサー)
主催NHKとメディアの今を考える会
共催アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC)/
NHKとメディアを語ろう・福島/日本ジャーナリスト会議/
放送を語る会/メディアを考える市民の会・ぎふ
政権は安倍から菅に変わってもメディアへの強権支配は変わらない。そしてメディア、とりわけテレビの政権忖度も止まらない。

◆目に余るNHKの政権忖度

 1月24日放送予定だったNHKスペシャル『令和未来会議~どうする?東京オリンピック・パラリンピック』が直前に放送延期になった。
 年末にはNHKスペシャル『永田町・権力の興亡』の放送が中止された。
 NHK中期経営計画は、菅政権、武田総務相の執拗な「値下げ要求」で、昨年8月の原案にはなかった「受信料値下げ」が加わった。

◆政権忖度は民放にも及ぶ

 衛星放送(BS・CS)10チャンネルを傘下に持つ東北新社社員が、放送行政を所管する総務省幹部を国家公務員倫理法に違反して違法接待していたことが明るみに出た。(東北新社の)子会社「スターチャンネル」の認定免許更新直前だった。
 しかも東北新社社員とは、菅首相の長男で総務大臣秘書だった菅正剛氏である。放送事業者による政権幹部子弟の政治利用という側面を見落とせない。

◆放送局はなぜ政権の意向を忖度しなければならないのか

 背景には、先進国には例のない放送行政を総務省が一手に握る日本の放送制度がある。
 そして今、放送局が「自主・自立」をとり戻す一つの道として、「放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制の構築」(市民連合の『共通政策』)が提起されている。
 放送記念日を迎えて、放送の現状と日本における独立行政委員会制度の可能性を語り合います。
 ご注目を。

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