2023/09/03
関東大震災 虐殺の犠牲者を悼む
関東大震災から100年を迎えた9月1日、「朝鮮人犠牲者追悼式典」が東京都墨田区の都立横網町公園で開かれた。公園内に建立される慰霊碑の前で韓国伝統舞踊家の金順子(キム・スンジャ)さん=写真=が鎮魂の舞を踊り、参列した人々が黙とうをささげた。
震災当時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが関東一円に広がり、多くの朝鮮人が命を奪われ、中国人も犠牲になった。式典は日朝協会都連合会などによる実行委員会が1974年から実施。都知事も追悼文を寄せていたが、小池百合子知事は、都慰霊堂での大法要で「大震災、大戦で犠牲となられたすべての方々への哀悼の意を表している」との理由で2017年以後、追悼文を送付していない。実行委員長の宮川泰彦さんは「教訓を学び取り、語り継ぐことは今を生きる我々の責務だ」と力を込めた。
2日は、東京の荒川河川敷で追悼式があった。昨年までは一般社団法人「ほうせんか」などが開催してきたが、今年は20~40代の日本人や在日コリアンらでつくる「百年(ペンニョン)」が初めて主催。メンバーたちが体験記録などから集めた虐殺の目撃証言を交代で朗読した。