点描
2022/10/08
サルトルの戯曲
俳優のサヘル・ローズさんがヒロイン役
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 仏の哲学者、ジャン=ポール・サルトルの戯曲を原作にした劇団「新宿梁山泊」の舞台「恭しき娼婦」が東京都中野区の「芝居砦・満天星」で上演中だ。イラン出身の俳優、サヘル・ローズさん=写真=が、女性蔑視や白人至上主義などの問題に視点を置いたこの作品を「私の物語」と受け止め、ヒロインを演じている。
 酒に酔った白人の男性が黒人を殺すところを目撃した女性が、街の有力者から正当防衛だとの偽証を求められた。舞台では、女性が書類にサインするまでの心理状態や、自らも差別を受けて苦悩する姿が描かれる。
 同劇団では2018年に続く再演。今回は、9月にポーランドのグダニスクで上演した後の特別公演だ。同劇団代表で在日韓国人の金守珍さんは「自由や尊厳の侵害の問題にサルトルが真っ向から向き合った。ロシア軍のウクライナ侵攻など、いまなお戦争や民族差別が起きている時代にこの作品のメッセージをアピールしたい」という。10月9日まで。
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