元「状況劇場」の看板女優で今年６月、79歳でこの世を去った、李麗仙さんの追悼特別公演が24日、東京都中野区の「芝居砦・満天星」で始まった。李さんが状況劇場時代にヒロインを演じた「少女仮面」を、劇団「新宿梁山泊」の役者らが、故人への想いを込めながら演じている。
　劇作家の唐十郎さんらと１９６３年に状況劇場を結成。在日韓国人を両親に持ち、75年に日本国籍を取得したが、日本社会を生き抜くための選択で「心までは日本に渡してはいない」という強い意志を持っていた。状況劇場の解散（88年）後は一人芝居や能を題材にした創作劇に挑み、２０１５年には新宿梁山泊による「少女仮面」でヒロインの春日野八千代役を21年ぶりに演じた。
　今回の舞台には、同じく状況劇場で活躍した大久保鷹さんも出演する。なおパンフレットに在りし日の李さんの写真が収録され、ロビーでも「李麗仙　写真展」を開催。27日まで。