2022/04/12
最大の壁は「国」――。
赤木雅子さんが日本記者クラブで会見
赤木雅子さんは日本記者クラブの帳面に「真実が知りたい」とつづった
学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざんを苦に自死した、財務省近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻雅子さん(51)が4月11日、東京の日本記者クラブで会見した。夫がこの世を去ってから同7日で4年。財務省の調査報告書は安倍晋三元首相の国会答弁後、改ざんの方向性を決めたのは佐川宣寿・元同省理財局長だと結論付けている。雅子さんは「夫の墓の前で手を合わせながら(事実を)報告してほしい」「自分は手を染めずに改ざんさせたことをどう思っているかを知りたい」と訴えた。
真相究明のため雅子さんは、国と佐川元局長に賠償を求めて2020年3月、大阪地裁に提訴。国は昨年12月、自殺との因果関係を認めて約1億円の賠償請求を受け入れ、裁判を一方的に終結させた。この「認諾」の結果、同訴訟で国が提出した「赤木ファイル」(赤木さんが書いた改ざん記録)の内容を含め、問題の核心は不透明なままだ。現在、雅子さんは、ファイルの開示請求の際、国が示した「存否応答拒否」の取り消しを求め、大阪地裁での裁判闘争を継続している。「最大の壁は国」と雅子さんは言葉に力を込めた。