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2020/08/21
メディアの「目くらまし」に注意
仲築間卓蔵
仲築間卓蔵

 8月は6日、9日、15日の他に、もう一つの9日がある。国旗(日の丸)・国歌(君が代)法案が採決された日である。それまで「日の丸」は国旗ではなかった。「日の丸」の由来を調べてみた。
1673年(寛文3年)江戸幕府は御城米廻船に「日の丸」の幟掲揚を指示
1854年(安政元年)開国に踏み切った幕府は「日の丸」を日本惣船印に
1931年(昭和6年)帝国議会、「日の丸」国旗法案上程されたが審議未了で廃案
1935年(昭和10年) 紀元2600年記念行事。
 ぼくは1932年生まれ。当時3~4歳だったが「日の丸」の小旗を振らされた記憶がある。出征するとき父は家族が署名した「日の丸」の旗を抱いていった。毎月8日の大詔奉戴日(たいしょうほうたい日。12月8日にちなんだ日)には必ず「日の丸」を持たされた。ぼくにとっての「日の丸」は、即「戦争」である。若い人たちの「日の丸」観とはここが違う。
1945年(昭和20年)GHQ、「日の丸」掲揚はその都度許可。
1949年(昭和24年)GHQ、その制限廃止。
1999年(平成11年)6月11日小渕内閣、国旗(日の丸)・国歌(君が代)法案閣議決定
7月22日衆院可決。賛成403 反対86
8月 9日参院可決 賛成166 反対71
8月13日公布、即日施行


忘れもしない「サッチー・ミッチー騒動」
 1999年といえば、ぼくがワイドショーのプロデューサー業から身を引いた翌年である。後輩の諸君に「日の丸」問題をとり上げては・・・と声掛けしてみたが無反応。理由は「右翼が怖い」である。たしかに「日の丸」といえば右翼といわれた時代がある。右翼のみなさんは、日常的に「日の丸」を掲げ「軍歌」を轟かせながら街を駆け回っていた。気に食わない番組に対しては当該のテレビ局周辺でがなりまくった。NHKとて同じであった。国会周辺でもそうだった。が、いまその右翼のみなさんの姿が見えない。モリカケ、サクラ問題からコロナ禍にいたる何から何までに「アベ政治NO!」の声が上がってるのに、右翼のみなさんの姿が見えないのは、なぜ?。
 話は横道にそれてしまったが、国旗・国歌法案が上程されていたときワイドショーは何を伝えたか・・。野村監督夫人の沙知代さんと女剣劇の浅香光代さんの(何が原因だったか)口喧嘩からはまった騒ぎを延々と垂れ流しつづけた。世に「サッチー・ミッチー騒動」といわれ、やればやるだけ視聴率がいいというので、その報道は数か月続いた。その陰であっという間に「国旗・国歌法案」は通過してしまった。結果的にワイドショーは「目くらまし」の役割を果たした。


ついでに書いておきましょう
 2003年。地球の果てまで自衛隊を派遣できるという「有事三法案」が国会に提案されていた時に起きたのが「タマちゃん騒動」(多摩川に出没した一頭のアザラシを追いかける騒ぎ)。視聴率がとれるというので報道番組までが中継車を出すという騒ぎになった。
 その騒ぎのなかで有事法が強行採決されたのが5月15日。なぜかタマちゃんがいなくなった。「あれは陰謀ではないか」と電話をかけてきた人がいた。
 2016年。甘利という大臣の金銭疑惑問題。検察の取り調べがあるかもしれないという山場の時。元プロ野球選手の清原氏が覚せい剤取締法違反で逮捕された。彼は1~2年前から目をつけられていて、いつ逮捕されてもおかしくない状況。「いつ逮捕するの?今でしょ」。その陰で甘利大臣は入院。疑惑は?解明されないままだ。

犠牲のシステム
 高橋哲哉・東京大学教授の『犠牲のシステム福島・沖縄』(集英社新書)が頭にこびりついている。
 日本軍国主義―不敗神話―(報道は)大本営発表―犠牲になるのは 国民。
 原発主義 ――安全神話―(報道は)発表報道――犠牲になるのは 国民。
 いまは ―― 忖度(そんたく)報道か。

作家の辺見庸は「言葉を奪われているのはどちらか、戦時下の記者なのか、今なのか。
今、報道規制はある それは内なる(自ら検閲する)規制 だ」
と語っていた。

今、踏ん張り時だ。「正念場」だ。
2020/08/04
テレビ朝日労組、民放労連から脱退!
仲築間卓蔵
仲築間卓蔵
 7月3日。朝日新聞系列のテレビ朝日労働組合が、民放労連(日本民間放送労働組合連合会)を脱退した。テレビキー局の労連脱退ははじめてである。漂流しはじめているアベ政治のもとで、メディアの役割がますます重要になっている時だけに、おどろきの事態である。
 脱退の理由は 1)大会などでの政治的発言や方針に疑義を呈してきたが、その方針に修正や変更がなく、労連との間の溝が埋まることがなかった。2)組合費が高すぎる。である。
 7月16日。民放労連中央執行委員会でテレ朝労組脱退は承認されている。

「政治的」が問題なのか?
 ぼくはテレ朝の『モーニングショー』や『報道ステーション』が好きである。何が好きかといえば「歯に衣着せぬ」物言いをする人が多いからである。「民主主義」や「ジャーナリズム性」をいかんなく発揮してくれている。まさに「政治的」である。その姿勢は『報道ステーション』の前身の『ニュースステーション』時代からの伝統といっていい。この時間枠を支えているスタッフのみなさんに、改めて敬意を表させていただこう。
 長い間、その『ニュースステーション』のキャスターを務めていた久米宏さんが降板することになったときの挨拶で(ちょうどイラク戦争に自衛隊を派遣するかどうかが問題になっていたときだ)「発言する場がなくなるので、もう一度申し上げておきますが、ぼくはイラクへ自衛隊を派遣するのは反対です。テレビは戦争を知らない国民をミスリードしないように」と語った。番組を去るにあたっての「遺言」といっていいかもしれない。忘れもしない(メモしてあったから)2004年3月26日だった。メディアは「警鐘を鳴らす役割」を担っている。それを支え、励まし、ともに闘うのが労働組合なのではなかったか。

脱退にはもう一つの理由があった

『報道ステーション』スタッフの大量雇い止め問題
 前述したが、『報道ステーション』は多くのベテランスタッフによって支えられてきたが、そのスタッフや女性リポーターに同番組のチーフプロデューサーによるセクハラ疑惑が週刊誌に報じられたようだ。スポンサーから問い合わせがあったようだ。ここからテレ朝経営陣のあたふたがはじまったようだ。
 普通なら事実関係を調査し、セクハラが事実なら相応の措置をすれば済むはずだと思うが。なぜかそんな対応をせず「情報漏洩を警戒?」して10年を超えるベテランスタッフら10人以上の大量雇い止めという暴挙に出たようだ。危機管理能力を疑わざるを得ない。
 テレ朝労組も動いたそうだが、基本的には「雇い止め方針撤回」を求めることなく、スタッフのあらたな雇用先探しにとどまったらしい。スタッフの怒りは想像に余りある。

労働組合は何のために 誰のためにある?
 スタッフの声を聴き、動いたのがMIC(民放労連も参加しているマスコミ文化情報労組会議)である。MICは集会をやったりスポンサー企業に対しても協力の要請をしたという。労組の頭越しにやったMICの対応にテレ朝労組が「脅威」を感じた。それが脱退理由の、実は大きな要素のようだ。
 スタッフのみなさんの声を、テレ朝労組は受け止めたのか・・。受け止めたのがMICだということだ。労働組合はなんのために、誰のためにある?。テレ朝労組脱退問題は、その根源が問われる事態だと思う。
 ぼくは思う。テレ朝内部にはこの一連の騒動に心痛めている人たちがいる。ぼくはそう思う。その人たちと「メディアをとりまく情勢」について話し合う機会がくると勝手に信じている。

7月の朝日川柳の一句。「痛いとこ訊かない記者に腹が立つ」
2020/06/29
ハインリッヒの法則
仲築間卓蔵
仲築間卓蔵
 山崎豊子のベストセラー小説の一つに、日航機墜落事件を背景にした『沈まぬ太陽』がある。その中に、「安全工学」として知られる「ハインリッヒの法則」がとりあげられていたことを思い出している。
 それは、「一つの事故が発生した場合、その背景にはインシデント(事件)には至らなかった300のイレギュラリティー(異常)があり、さらにその陰には数千に達する不安全行動と不安全状態が存在する」というものだ。小さなことを見落としていたら大きな事故につながるという教訓である。一つの例が(忘れもしない)関西の福知山線の事故。急カーブのところを速度を落とさないまま運転し脱線、そのまま線路脇のマンションに突っ込んで多数の死傷者を出した。原因は「電車を遅らせてはならない」という「規則」を優先させたためだった。JR西日本は慌てて規則を見直した。後悔先に立たずである。
 「ハインリッヒの法則」は、航空機や鉄道など乗り物に限られるものではない。メディアの世界にも当てはまる。「気になっていることはどしどし言う」「忖度しない」「とことん話し合う」土壌をいまこそ取り戻す必要がある。
 作家の辺見庸が言っていた。「メディアは時の流れに合わせてタクトを振る」と。「メディアがそうなら、時の流れを変えるしかない」と言われてもおかしくない。メディアの誇りを取り戻す。「いつやるの 今でしょ」。
 次回は、メディアのはたした「目くらまし」について書くとしよう。
2020/06/22
海水浴場は「異例の夏」
仲築間卓蔵
仲築間卓蔵
 新型コロナ禍の先行きはいまだに見えません。
行動の「自粛」とやらで神奈川県下の海水浴場は「2020年開設せず」となっています。
 県内の海水浴場は全部で25か所。
 横浜の金沢区海の公園海水浴場からはじまって三浦海岸、大浦、新井浜、和田、横堀の海水浴場。横須賀は猿島、長浜海水浴場。葉山は長者ヶ埼、一色、森戸海水浴場。逗子海水浴場。大磯海水浴場。サザンビーチちがさき。藤沢は辻堂、片瀬西浜、片瀬東浜の海水浴場。平塚は湘南ベルマーレひらつかビーチバレー。小田原は御幸の浜、江之浦海水浴場。湯河原海水浴場。真鶴は岩海水浴場。
 そして鎌倉は腰越、由比ガ浜、材木座海水浴場です。
 神奈川県のホームページは「残念ながら開設せず」「異例の夏の海となりそうです」と残念がっています。

▼都道府県をまたぐ「移動自粛解除」となったが・・・
 そこで「移動自粛解除になったが、海水浴場開設しない方針は変えないのですか」と神奈川県に訊いてみました。
 返事は、「変えない」でした。自粛解除後の判断は「各市の判断となっているが、各市とも“開設せず”に変更はないといっている」そうです。同時に「変更があったとしても、間に合わない」という判断です。
 昨年の県下の海水浴場利用者は320万人でした。

▼鎌倉は?・・・
「開設せず」を考え直せないか
 そこで鎌倉市役所に訊いてみました。
 返事は県と同じでした。ちなみに昨年の鎌倉の海水浴客は35万5千人だったそうです。
 「移動自粛解除」になりました。間もなく梅雨も明けるでしょう。
 海の家業者のみなさんはどんな意見をもっているのか、このことも市に訊いてみましたら「今からとりかかっても採算がとれないといっている」そうです。
 思いっきり海水浴を楽しみたい!人のために、鎌倉独自の対策を立てることはできませんかねえ。  そんなことで 鎌倉に夏がきたーッ。ということになりませんかねえ。
2020/06/04
日本国憲法施行73年  新型コロナウイルス感染問題で、集会はオンラインに    緊急事態条項の明記は「不要不急の火事場泥棒」と批判の声

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1枚目 総がかり行動実行委員会の3人の共同代表。(左から)高田健さん、小田川義和さん、藤本泰成さん
2枚目 憲法学者の稲正樹さん


明珍美紀
明珍美紀
 日本の平和憲法の施行から73年を迎えた5月3日の憲法記念日は、新型コロナウイルスの感染拡大という非常事態のなかで、ネットを中心にした活動が各地で繰り広げられた。一方、安倍首相は、改憲派の集会へのメッセージで、「緊急事態条項」の憲法書き込みを主張。「緊急事態条項」を争点しようと躍起。「火事場泥棒」との批判も集まった。

▼コロナ渦にも人権守れ
 国会議事堂前で行われた「平和と命と人権を!5・3憲法集会2020」は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」「安倍改憲NO!全国市民アクション」などが主催。今年は、国会前で学者やジャーナリストらによるスピーチが行われ、その様子がネットで中継された。
 「九条の会」世話人で早稲田大学名誉教授の浅倉むつ子さんは「緊急事態においては、最も弱い立場にいる人々が安全に生きられることが優先課題」と首相に反論。憲法学者で元国際基督教大学教授の稲正樹さんは「コロナ危機の最中に緊急事態条項を憲法に入れろというのは不要不急の火事場泥棒だ」と語気を強めた。
 新型コロナウイルスの感染の拡大で、国家が第一にするべきことは市民の命を守ることだ。ところが、医療現場は切迫し、PCR検査を希望しても受けられない人がいる。憲法13条(幸福追求権)について言及した稲さんは「私たちは平和的に生きていく権利を持っている。生命の保護を為政者に要求する権利がある」。緊急事態宣言による外出や営業などの「自粛要請」については、25条(生存権)と27条(勤労権)を挙げ、「自粛と補償はセットであることを、声を大にして言わなければいけない」と訴えた。

▼「緊急事態条項を」と安倍メッセージ
 改憲を目指す民間団体のオンライン集会では、自民党総裁の立場で安倍首相が送ったビデオメッセージが流された。「そもそも現行憲法には緊急時に対応する規定は参議院の緊急集会しか存在していない」「緊急事態に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどう位置づけるかについては極めて重く、大切な課題」などと主張した。
 露骨な「コロナ便乗改憲策動」が目立っている。

▼各地でネット集会
「憲法守ろう」と訴えるネット集会は、大阪、京都のほか、広島でも開かれた。
 広島市の、楾(はんどう)大樹弁護士は、テレビ会議システム「ズーム」を使った講演を実施。緊急事態条項について「自民党の改憲案には乱用を防ぐ仕組みは書かれていない」と権力の乱用を危惧した。
 国会議事堂前からのオンライン集会のライブ視聴者は約3000人だったが、主催団体の一つ、総がかり行動実行委の共同代表、藤本泰成さん(64)は「普段は集会に来ない人にも聞いてもらえたと思う」と言い、新しい形で市民がつながることを期待していた。

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