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2020/05/23
人間の心が試されている 沖縄から
新型コロナ禍によって、今 全世界は未曽有の大混乱が続いている。まさかこんな事態に成るとは、誰が予想出来たでしょうか。相手は目に見えない新型ウィルス。決定的な治療法もない。勿論ワクチンの開発にも時間が掛かる。治療は対処療法でしかない。医療現場も崩壊寸前まで来ているとされる中、感染の危険性も省みず、ひたすら罹患者の治療に当たる医療従事者には感謝の気持しかない。
政府は4月7日、感染症専門家や国民の声に押されるように、七つの地域に「緊急事態宣言」を発出、その後全国へ拡大、国民に不要不急の自粛要請を行った。しかし政府の新型コロナ禍に対する初期対応は、このウィルスを甘く見ていたのか、各国の動きを見ても遅かった気がする。
▼本気度
国民生活は疲弊、経済活動は大停滞。政府の動きを見ていると本当に「国民の命を守ろう、国民生活を守ろう」が第一であるにも関わらず、本気度が余り感じられない。確かに様々な政策を打ち出してはいるものの、国民からすれば「相変わらずお役所仕事で、スピード感が全く感じられない。
「今直ぐ何が必要で、どのように対処しなければならないのか」、身を粉にして国民を守る意気込み、寄り添いが感じられないばかりか、保身すら見えてくる。議員報酬の一部返上等はマヤカシにしか見えない。本当に呆れるばかりか、国民のリーダー不在である。国会答弁を見ていても、首相は生気を失っているようにさえ見える。
生活全般おける自粛、大変不自由なことではあるが、こうでもしなければ乗切ることは出来ないのではないか。国民は一日も早い終息を願っているにも関わらず、自分さえ良ければと行動する輩もいることは本当に悲しい。
▼県民の疲弊はギリギリ
沖縄では2月14日、初の感染者が確認されて以来、感染拡大は止まらない。緊急事態宣言が出されて以来、全国民同様、県民生活は不自由を余儀なくされている。悲鳴にも似た声すら聞こえる。生活はどうなるのか、経済はどうなるのか、お店はこのままやっていけるのか。このような事態では生活弱者に必ずしわ寄せが来る。県民の疲弊はギリギリのところまで来ている。零細企業99%のオキナワ、新型コロナ禍を克服出来たとしても立ち直れるのだろうか。
「緊急事態宣言」は更に延長される。このままでは多くの零細企業が潰れかねない。そうならないように、国は命を掛け、国民を守るため、あらゆる手を尽くしてほしい。人間の心が試されているのでは・・・。
2020/05/21
「火事場泥棒」いろいろ…
マスコミ九条の会連絡会代表 仲築間卓蔵
おためごかしの「アベノマスク」。いまだに届かない。新型コロナ禍の先行きは見えない。そんな最中に検察庁法改正案が飛び出した。なんのことはない東京高検検事長・黒川弘務氏の定年延長法案である。
著名人の中からも“火事場泥棒”という抗議の声が広がっている。“火事場泥棒”とは「どさくさに紛れて不正な利益を得る者」のことをいう。ツイッターでは「検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが、1日で500万ツイートという記録的なトレンドとなったという。
インターネット上のコメントへのアベ首相の反応は「政府としての見解はさし控えます」と「蛙の面になんとかで」ひたすら法案の採決を目指している。怖ろしい。
▼石破氏も批判
自民党の元幹事長・石破茂氏は民放のBS番組で「(500万ツイートに)私たちは答える義務があるのではないか。これ(法案)を通すというのは政権どうのこうのっていう話じゃない。日本国の民主主義の問題です」と語っている。これが普通の感覚だろう。
著名人の発言を5月11日の『NEWS 23』(TBS系)が紹介している。「もう一度言っておきます。検察庁法改正案に抗議します」(女優・小泉今日子)。「もうこれ以上保身のために都合よく法律も政治もねじ曲げないでください」(俳優・井浦 新)。「私も自分なりに調べた中で思ったのは、いまコロナの件で国民が大変な時に、いま急いで動く必要があるのか。自分たちの未来を守りたい」(歌手・きゃりーぱみゆぱみゅ)。「どのような政党を支持するのか。どのような政策に賛同するのかという以前の問題で、根本のルールを揺るがしかねないアクションだと感じています。検察庁法改正案に抗議します」(バンド・いきものがかり)。これはほんの一部だ。元プロレスラーの高田延彦、演出家の宮本亜門、シンガーソングライターの」嘉門タツオなど 上げればきりがない。
最初に投稿した都内の女性(35)は「右も左も」関係ありません。犯罪が正しく裁かれない国で生きたくありません。この法律が通ったら“正義は勝つ”なんてセリフは過去のものになり、刑事ドラマも法廷ドラマも成立しません。絶対に通さないでください。自分の都合がいいような法律を通そうとコソコソやっているのが怖い」と。「アベチャンネル」と呼ばれているNHKですら、及び腰ではあるがこの法案の審議経過は報じている。
いまこそ、大手メディアはこぞって「不要不急の法案はとりさげよ」「医療崩壊させない手立てを」「生存のための予算のダイナミックな組み換えを」の声を上げる時だと思う。いつやるの、今ですよ。
▼自衛隊も「火事場泥棒?」
神奈川に住んでいるので、神奈川のことをちょっとお知らせしよう。
神奈川県がインターネットカフェの利用者の緊急受け入れ施設として県立武道館を開放したが、なんと、その場で自衛隊が採用活動しようとしたという。困窮する若者をターゲットにした「戦略」なのか。ここでもアベの姿がちらつく。その次に「感動」がやってきた。この採用活動に神奈川県の職員が「待った」をかけ「退出」させたという。拍手である。
ここに憲法を守る公務員の姿がある。神奈川も捨てたものではありません。カジノにこだわっている横浜市長がいますがね。
いま私たちは正念場中の正念場をむかえています。大手メディアを励ましながら民主主義をとり戻しましょう。
2020/02/04
操られる民主主義
「操られる民主主義ーデジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか」(ジェイミー・バートレット著、秋山勝訳)=草思社=という本を読んだ。昨年9月発行の小さな本だが、実に怖ろしい本だ、と思った。つまり、トランプの選挙とイギリスのEU脱退の国民投票で、有権者をどう「説得」したか、を書いた本である。簡単に書くと、有権者を根こそぎ層分けして、経済状態、家族、趣味まで、細かく、個別にアプローチできるようにし、そこに説得力がありそうな情報を流す。本の帯には「いつの間にか『私の考え』が誘導されていた?」とあるが、要するに、ビッグデータと、自分が接したネット企業に知らずに提供した情報が、個人を丸裸にし、投票行動まで左右してしまう、という話である。
もう何年も前、オバマ大統領が当選したとき、「ネットを使った選挙」と話題になったが、そこで設計された「ネットで支持者を繋ぐ」という考え方から、相手の思想を変えて、支持者にしてしまうことが、トランプとブレグジットの勝利の根っこにあった、という話だった。簡単に言えば、この方式を「改憲国民投票」に使われたら、と思ってゾッとする。ただでさえ、本音の「戦争ができる国作り」を隠し、「嘘」と「ごまかし」で、改憲支持者を増やそうとしているのがいまの「改憲勢力」だ。こんなことがどこかで仕組まれていたら…と考えるのだ。
「オバマの作り方」という本もあった。オバマは、オバマ支持のすごくでっかいサイト、「myBO」=マイ・オバマ=をつくって、頑張ったらしい。同じような「改憲反対」のでっかいサイトを作っていくことが、いま求められているように思う。