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2020/10/15
<10月の漫画> 仕事師のおじさん早くも馬脚出し  鈴木 彰

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 9月16日に菅義偉(よしひで)新政権が発足した。「農家出身」「工場勤務からアルバイト学生を経て政治の道へ」「たたき上げの仕事師」などの菅キャラクターの売り込みが効を奏したのだろう、安倍政権が30%まで引き下げた内閣支持率を一瞬75%(読売)まで上昇させた。しかし菅氏は、モリ・カケ・桜・河合夫妻疑惑を安倍首相と一緒にごまかし、改憲・軍拡・社会保障破壊の暴走政治を先頭に立って進めてきた人物。いわば破綻したアベ政治の共犯者(実は主犯だとみることもできる)が、その破綻を棚上げして、破綻したアベノミクスの全面的な継承・発展を宣言しているのだから、菅政権は、いわばアベ隠し・アベ共犯の政権に過ぎない。「国民のために働く政権」と大宣伝しているが、政権が国民のために働くのは憲法に定められている当たり前のことに過ぎない。首相になる前日に、自分が首相になったら「政府の方針に反対する官僚は異動してもらう」とテレビで官僚を恫喝した菅氏の政権が、いつまでも国民をだませるわけはないと思っていたが、何と国会もまだ開かず、施政方針演説も行なっていない内に、「自助」強調と「GoToトラベル」推進によるコロナ対策からの撤退、「敵基地攻撃能力」の保持や改憲案の検討開始、沖縄辺野古の新基地建設のごり押し、日本学術会議への人事介入・言論抑圧など、アベ政権を凌ぐ極悪・非道の馬脚を見せ、内閣支持率も下落を始めた。今月はそこに目を付けて描いてみた。
2020/09/14
<9月の漫画> 効くのかね?スカの心臓(晋三)マッサージ   鈴木 彰

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 コロナ禍に国民が重大な不安と困難に遭遇しているのに、通常国会閉会後2か月にわたって国民の前から姿を隠していた安倍首相が、8月28日、突然姿を現して「病気のため辞任」を宣言。アベノマスクと小中高校の臨時休校、補償抜きの自粛要請以外にはこれといったコロナ対策もなく、大軍拡のために憲法と社会保障を破壊し、2度にわたる消費税増税で日本経済を足元から停滞さた安倍首相は、7年8か月の長期記録を果たしたとたんに政権を投げ出したのだ。「いのちと経済」を天秤にかける新自由主義的な「GoToトラベル」で、コロナ危機をいっそう深刻化させている与党は、マスコミを巻き込んで「ポスト安倍」のお祭り騒ぎに興じている。派閥の力学で後継者は決めているのに総裁選を演じて、安倍政治が数知れぬ問題点を抱えて破綻したことを棚に上げるというゴマカシの祭りだ。ゴマカシに乗じて辞任した本人が次の政権に向かって「敵基地攻撃能力の保有、軍拡・改憲」を指示する「談話」まで出している。破綻し、本人さえやる気をなくした「アベノミクス」を「心臓(晋三)マッサージ」で蘇生させても、破綻したものは所詮破綻したものでしかない。何ができるというのだろうか?
2020/08/07
<8月の漫画>改憲の執念だけで何処へ行く   鈴木 彰

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 安倍首相が新型コロナウイルスの感染対策としてバラまいたのが「アベノマスク」。韓国が国防費を削ってコロナ対策に充てたのに比べ、あまりにもマト外れで貧弱で、安倍首相自身さえ8月にはそれを捨ててしまったほど不評だった。改憲・大軍拡のための福祉破壊というアベ・新自由主義政治が、コロナに対していかに無力であるか、防疫・防災には日ごろからの備えがいかに大切であるかが誰の目にも明らかになっている。相次ぐ豪雨災害での被災者の救援と復旧、猛暑とコロナ感染の再拡大への対策などが緊急の課題となっている。だから河野太郎防衛大臣の秋田・山口両県への弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備断念には、軍事費を削ってコロナ対策に回す政策転換を期待したが、それは小野寺五典元防衛相らが8月に安倍晋三首相と菅義偉官房長官に「敵基地攻撃能力」の保有を提言するための「引き金」でしかなかった。安倍首相は、マスクのバラマキで「コロナ対策」を終えたことにして、国会の閉会中審査にも出席せず、正式な記者会見も開かず、国会と国民への説明責任を逃げ回りながら、改憲の意思を執拗に発信し、観光需要喚起策「GoToトラベル」の推進、核兵器禁止条約の批准拒否、「敵基地攻撃能力」の保有計画など、まさしく不要不急の改憲・大軍拡と福祉蹂躙に立ち戻ろうとしている。これらは結局、コロナ軍団に味方することになっているのではないか。
2020/07/13
<7月のまんが>このふたり所詮は令和枯れすすき  鈴木彰

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 アベノマスクの配布にいち早く踏み切った安倍首相、レインボーブリッジを赤く染めて「東京アラート」を強調した小池都知事、いずれも国民と都民に新型コロナ感染対策を「やっている」という感じを与えてお茶を濁そうとしたが、そんなことで国民・都民のいのちの危険はとうてい収まらなかった。吹き上がる要求に恐怖を覚えた安倍首相は国会の会期を、小池都知事は都知事選を、それぞれ口実にして、感染対策を投げ出した。この「やっている」感は国民・都民をあざむく効果を発揮し、地に落ちていた安倍内閣支持率を少しだけ回復させ、都知事選では366万人の都民が小池都知事に続投を許したが、アベノミクス、ユリノミクスが推進してきたウソと誤魔化し、市場原理と原発・軍拡神話を最優先して憲法蹂躙、医療・介護・ケア部門を含む社会のあらゆる分野で暮らしと福祉を踏みにじってきた新自由主義は、完全に破綻したことがコロナ禍で誰の目にも明らかになっている。国民・都民はやがて本当のことを理解する。それを知っている2人は「令和枯れすすき」をうたう他あるまい。
2020/06/18
<6月のまんが> コロナ期をどう生きるのか君たちは   鈴木彰

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 検察官の定年延長に特例を設ける検察庁法改正案は、野党やネット世論の猛批判、元検事総長ら検察OBの意見書などに包まれて、この国会で成立断念に追い込まれた。検察OBの意見書は安倍首相の姿勢を「17世紀フランスのルイ14世が語ったとされる『朕は国家である』を彷彿とさせる」と指摘して痛烈な警鐘を鳴らした。今月は、ルイ14世よりも俗物的に「朕は国庫なり」とモリ・カケ・桜の疑惑を交わし続ける権力者と、これを取り巻いて破綻に直面している人びとに、いのちと暮らしを本当に大切にしなければならないコロナ期をどう生きるつもりかい、と問いかけることにした。

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