2021/05/02
「コロナ改憲」の動きを許すな!
国民投票法改正で立憲の「裏切り」?

 英国、ブラジル、南アフリカ、そしてインド型と次々に変異株が見つかり、日本の感染第4波も広がっている中で、憲法審査会を舞台にした自民党による「改憲策動」が動き始まっている。自民党は、連休明けにも「国民投票法の改正」を成立させ、議論を前に進めたいとしている。どさくさ紛れの「究極の火事場泥棒」に、世論の包囲が必要だ。

 自民党がこんな行動を考えているのは、憲法審査会で自民党の改憲案の議論になかなか入れないためだ。自民党は、何とか憲法審査会で「改憲案」を提案させて、に持ち込みたい、と考えているが、その前提になるのは、国民投票法の「改正」だ。通常の選挙について規定している公選法で、①選挙人名簿の閲覧②在外名簿の登録③共通投票所④期日前投票⑤洋上投票⑥繰り延べ投票⑦投票所への同伴―などの改正がされたことで、改憲手続きを決める国民投票法でも、それと同様の改正をして、改憲国民投票の準備が整ったことにしたい、とこの修正を提案している。

 しかし、立憲民主党、共産党は、期日前投票の投票時間の短縮や繰り延べ投票期日の告示期限が短縮されているなど投票機会を後退させる内容が含まれている反面、改憲の国民投票では絶対に問題になるCM規制や、国民投票運動の運動資金の規制、最低投票率規定などについて議論されていないことから「審議は尽くされていない」と主張してきた。
 早い話、選挙でも河井夫妻の金権買収があるくらいだから、このまま「公選法並み」の改正が行われても、CM規制も運動資金の制限もなければ、テレビや新聞、雑誌、ネットで大金を使っての「憲法を変えて国作りを」とか、「みんなで憲法改正を」みたいなキャンペーンが行われる「金権国民投票」になりかねない。

 「アーミテージ報告」のように、「日本も米国と一緒に戦争する国に、」と考える米国からは、改憲派への資金援助も考えられる。
 一方で公務員や教育者への運動規制は、憲法そのものを考える国民の言論を封殺することになりかねない。「自粛警察」や「密告」もはびこるはずだ。
 こうした国民投票の仕方、最低投票率、運動やCMについての議論を抜きにした国民投票法改正を進めるわけに行かない、というのは、反対論の根拠だった。

 ところが、事態は「急変」した。自民党は5月6日か13日かに、自民党案で採決したい、と提案したのに、何と、立憲民主党も4月28日の審査会で、「施行後3年後をメドに法制上の措置を講ずる」との修正を入れるよう提案したからだ。どこでどう狂ったのか? 裏切ったのか?
 自民党がこの修正をのんで、妥協を図るのか、これも拒否して原案で突っ走るのか? それとも「強行」はあきらめるのか、はっきりしない。しかし、とにかく、連休明けの国会は、とんでもない「改憲手続き」が焦点になる状況だ。

 もともと改憲のための手続きを決める国民投票法は、議員や自治体首長を選ぶ公選法とは全く性格が違っている。憲法の改正手続きは、「憲法に基づく政治的選択」のために行われる選挙とは違い、「憲法制定権力」と呼ばれる「国の政治の在り方を最終的に決める力」「憲法を創り出す権力」に基づいて行われなければならない、と考えられている。
 だから、「国の在り方」についての基本的な部分については、憲法上の「改正権」は及ばず、憲法改正には「限界」がある、とされている。この「改正」できない「憲法の基本的な部分」には、「国民主権」や「基本的人権の尊重」と並んで「平和主義」があり、「非戦・非武装」を、憲法上の改正手続きでは変えられない、と考える説も有力だ。
 しかし、憲法審査会では、こうした議論をすべて捨象して、公選法横並びの議論に矮小化し、突っ走ろうとしている。これを認めるわけには到底いかない。
 
 「憲法改正」というのは、「国のかたち」を変えることだ。このコロナ渦の危機に、「どさくさ紛れ」に、議論することではない。
          
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