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2021/03/04
テレビよ いつまで政権にひれ伏しているのか!
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3.22放送記念日シンポジウム・オンライン集会 ご案内

――独立行政委員会制度の可能性 ――

3月22日(月)14時~16時 オンライン集会
(参加費無料 先着80名まで)
参加申し込み用フォーム
集会のZOOM URLは後日お知らせします
基調報告とコーディネーター
パネラー砂川浩慶(立教大学教授・メディア総研所長)
山口二郎(法政大学教授・市民連合呼びかけ人)
長井 暁(ジャーナリスト・元NHKプロデューサー)
主催NHKとメディアの今を考える会
共催アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC)/
NHKとメディアを語ろう・福島/日本ジャーナリスト会議/
放送を語る会/メディアを考える市民の会・ぎふ
政権は安倍から菅に変わってもメディアへの強権支配は変わらない。そしてメディア、とりわけテレビの政権忖度も止まらない。

◆目に余るNHKの政権忖度

 1月24日放送予定だったNHKスペシャル『令和未来会議~どうする?東京オリンピック・パラリンピック』が直前に放送延期になった。
 年末にはNHKスペシャル『永田町・権力の興亡』の放送が中止された。
 NHK中期経営計画は、菅政権、武田総務相の執拗な「値下げ要求」で、昨年8月の原案にはなかった「受信料値下げ」が加わった。

◆政権忖度は民放にも及ぶ

 衛星放送(BS・CS)10チャンネルを傘下に持つ東北新社社員が、放送行政を所管する総務省幹部を国家公務員倫理法に違反して違法接待していたことが明るみに出た。(東北新社の)子会社「スターチャンネル」の認定免許更新直前だった。
 しかも東北新社社員とは、菅首相の長男で総務大臣秘書だった菅正剛氏である。放送事業者による政権幹部子弟の政治利用という側面を見落とせない。

◆放送局はなぜ政権の意向を忖度しなければならないのか

 背景には、先進国には例のない放送行政を総務省が一手に握る日本の放送制度がある。
 そして今、放送局が「自主・自立」をとり戻す一つの道として、「放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制の構築」(市民連合の『共通政策』)が提起されている。
 放送記念日を迎えて、放送の現状と日本における独立行政委員会制度の可能性を語り合います。
 ご注目を。

2021/02/28
「デジタル庁」構想と「監視法案」
 政府は2月9日、「デジタル庁新設関連法案」を閣議決定した。「予算関連法案」という触れ込みで、3月中に成立させる意向だとつたえられる。しかし、単に新しい行政組織を作る、というのではなく、これまでの個人情報に関わるさまざまな規制を外し、これを一元化して政府が管理する仕組みを作ろうとしているように見える。

 25日には、共謀罪対策弁護団、自由法曹団、青年法律家協会弁護士学者合同部会、日本民主法律家協会など法律家団体8団体と、個人情報保護法などに取り組んできた学者、弁護士が「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」を結成、意見書を発表したが、「しんぶん赤旗」を除き、メディアの報道が見当たらないのも不思議だ。

 この法案は、「デジタル社会形成基本法案」「デジタル社会形成を図るための関係法律の整備法案」「公的給付預貯金口座登録法案」などから、個人情報保護法、マイナンバー法などの改正まで、膨大な内容を含んでいる。プリントにすると、ざっと数えただけで、条文、要綱などを含め、3000p、関係する法律は60を超え、マイナンバーを義務づけられる国家資格は32に達するという。
 法律家たちは、結局、デジタル情報を国家管理しようとする法案だ、として「デジタル監視法案」と名付けている。

 個人情報については、あくまで管理者はその人、個人だとする原則で、自治体も慎重に扱ってきた。それを勝手に一元化するなど許されることではないし、マイナンバーもそうした観点で反対意見が強く、普及できないでいるのが実態だ。
 すべて、「基本的人権」に関わる問題であり、「効率」とか「利便性」とかを理由に、制度改正すればすむ、という問題ではない。政府がそれを、ろくに議論もせず、わずか1カ月余りで成立させたいと考えているのは、余りにも非常識だ。
 閣議決定後、この意見書が明らかになってからも、野党からの反対の声は聞かれず、メディアの沈黙も続いている。妙な「わきまえ」や「忖度」は不要だ。まず、「ものが言える社会」を守るために、声を上げよう、と呼びかけたい。

*法律家の意見書は、「仲間から」に掲載する。また、デモクラTVで、「憲法とメディア」同人の丸山重威が紹介している。参考にしてほしい。(「ユーチューブ」の https://youtu.be/pns92ToCXAo 参照)
(再生開始まで広告+2分弱の予告画像があります)

 なお、「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」に加わっている団体と学者、弁護士は次の通り。
▽法律家団体:共謀罪対策弁護団(海渡雄一共同代表)、秘密保護法対策弁護団(中谷雄二共同代表)、社会文化法律センター(宮里邦雄共同代表理事)、自由法曹団(吉田健一団長)、青年法律家協会弁護士学者合同部会(上野格議長)、日本国際法律家協会(大熊政一会長)、日本反核法律家協会(大久保賢一会長)、日本民主法律家協会(新倉修理事長)  
 ▽学者・弁護士:元総務省行政機関等個人情報保護法制研究会委員・三宅弘弁護士、元法相、元内閣官房国家戦略室長・平岡秀夫弁護士、獨協大学・右崎正博名誉教授、専修大学・晴山一穂名誉教授
(了)
2021/02/19
密室・非公開での新会長選出
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 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任した森喜朗氏(83)の後任に18日、五輪担当相から転身するかたちで橋本聖子氏(56)が就任した。2月3日の「女性蔑視発言」から16日間に及ぶ混乱の中で、ジェンダー格差はもとより、「密室」「非公開」の問題があぶり出された。
 国際オリンピック委員会(IOC)の元マーケティング部長、マイケル・ペイン氏は「オリンピアンの女性を選出したことは正しい判断で、社会にインパクトを与える」とSNSに投稿。AP通信は「日本では意思決定や政治の場に女性が少ない。女性を指名することによって男女の不平等を打破することができるかもしれない」と発信した。
 とはいえ、女性を会長にすればいいわけではない。橋本氏は、日本スケート連盟会長だった2014年にフィギュアスケートの男子選手にキスを強要したと週刊誌で報じられており、韓国のメディアは「女性蔑視の森に代わり、強制キスの橋本」と反応した。
 選出までの過程も、ごたごたが相次いだ。森氏から直接の後継指名された元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)は当初受諾し、森氏に相談役として残ることを要請したという。会長は理事の互選で決められるため、「密室人事」と反発や不信感が社会に広がると、川淵氏は一転して辞退した。
 組織委は男女8人による検討委委員会を設置し、さらに新会長に求める五つの資質を公表した。だが、座長を除いて検討委の名前は、選出まで非公開。委員も外部有識者は入れなかった。また、橋本氏の過去の行動のこともあってか、候補者の名が漏れないよう徹底させた。
 こうした密室の議論をしておいて、組織の透明性が確保できたとは思えない。公正な組織に生まれ変われるかどうか、引き続き、注視する必要がある。いま、組織委が取り組むべきは、最も重要な課題、すなわち新型コロナウイルス禍の下で、オリンピック・パラリンピックを開催すべきかどうかということだ。新しい体制で、根本から話し合ってほしい。

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