2023/05/03
「ニュース女子」訴訟
辛淑玉さん勝訴 東京で報告集会
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)のバラエティー・情報番組「ニュース女子」の放送で「名誉を傷つけられた」と、在日韓国人の辛淑玉(シン・スゴ)さんが、旧DHCテレビジョン(現虎ノ門テレビ)などに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は4月26日付で、同社の上告を棄却し、550万円の賠償とウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた1、2審判決が確定した。東京の衆院第二議員会館で5月1日にあった報告集会で辛さんは、「負ければ人生が終わる。それぐらい厳しかった。けれどもこうして勝った。人生を進みましょう」と晴れやかな表情で語った=写真。
番組(2017年1月放送)では、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現。さらに出演者は、辛さんが共同代表を務める市民団体が参加者に日当を払っているという内容の発言をした。昨年6月の控訴審判決は番組が、「反対運動で過激な暴力行為を伴う犯罪行為が繰り返され、辛さんが経済的に支援してあおった印象を与えた」と指摘。また、市民団体が現地に派遣したのは16人で、その目的は「運動の現状を発信することだった」などと判断した。
報告集会では、これまで辛さんらを支えてきた人々も発言。MXの放送以後、さまざまなハラスメントを受け、「大衆が敵になった」という辛さんに気持ちを重ねた。「ニュース女子」を巡っては、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が18年3月、辛さんへの人権侵害を認定。「TOKYO MX」は同年7月に謝罪した。