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2020/07/05
《コロナ禍の下で安倍政治の不正をただす》(2)
■■憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明■■
<丸山重威>
 改憲問題対策法律家6団体連絡会は4月12日、「憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明」を発表しました。

▼憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明  2019/4/12

 自由民主党及び公明党などは、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(以下「改憲手続法」という。)の改正案を審議するためとして、衆議院憲法審査会の開催を目指している。
 改憲問題対策法律家6団体連絡会(以下、「6団体連絡会」という。)は、2018年6月4日に、上記改憲手続法改正案の国会提出に反対する緊急声明を発表した。
 6団体連絡会は、改めて上記改憲手続法改正案に対して反対するとともに、以下の理由から、現時点での衆参両院の憲法審査会開催に強く反対するものである。

1 憲法改正の前提となる世論が存在しない
 後述するように、原則として首相や国会議員には「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)が課されている以上、首相や国会議員には憲法を遵守する法的義務がある。憲法改正は、政府や政党、政治家の中から改正すべきとの声が上がった際に行なうものではなく、国民の中から憲法改正を求める意見が大きく発せられ、世論が成熟した場合に限り、行われるべきものである。自民党政権も、昭和55年11月17日政府統一見解(衆議院議運委理事会において宮澤内閣官房長官が読み上げたもの)において、「憲法の改正については、慎重のうえにも慎重な配慮を要するものであり、国民のなかから憲法を改正すべしという世論が大きく高まってきて、国民的なコンセンサスがそういう方向で形成されることが必要である。」と、同趣旨のことを述べている。
 公権力を制約することによって国民の権利・利益を保障することが憲法の役割である以上、政府や国会といった公権力には常に憲法による制約を緩めようと目論む危険性がある。したがって、公権力の側からではなく、国民の側から憲法改正を求める世論が高まった後に、初めて憲法審査会での議論を行なうという謙抑的な姿勢が国会には求められているというべきである。
 近時の世論調査において、政権に期待する政策として「憲法改正」を挙げた割合は1割程度に過ぎず(日経新聞・テレビ東京合同世論調査など)、現在、国民の中で憲法改正を求める世論が高まっているとは到底言えない状況にある。
 このような状況下で憲法審査会を開き、手続法を含む憲法改正に向けた議論を進めることは、結果的に公権力が国民に対して憲法改正を「押し付ける」ことになりかねない。
 憲法改正を求める国民世論という大前提を欠いた現在の状況において、憲法審査会を開催すべきではない。

2 事実に基づく議論が期待できない
 安倍首相(自民党総裁)は今年の自民党大会において、自衛隊員募集に関して「都道府県の6割以上が協力を拒否している」と述べ、9条改憲(自衛隊明記)の必要を訴えた。しかし、この発言は事実に反しており、後に訂正を余儀なくされているものの、事実に反することを改憲の理由に挙げたことについて安倍首相は未だに撤回していない。さらに、森友疑惑をめぐる公文書改ざんと公文書毀棄、証拠隠滅、加計疑惑での事実を隠す数々の答弁、自衛隊の「日報」隠し、裁量労働制をめぐる不適切データの使用、財務省事務次官のセクハラ問題等々、安倍政権下の政府与党には、事実を軽視し、あるいは事実を歪めて議論を強引に進める姿勢が顕著である。直近でも、塚田一郎前国土交通副大臣が下関北九州道路に関する「忖度発言」で辞任に追い込まれたばかりであるが、政府与党は発言内容の真実性を認めようとしない。
 このような安倍首相や政府与党の姿勢・性質に鑑みれば、現時点で憲法審査会を開催した場合、事実に基づく慎重な議論が行われることは期待できず、強引な議論で多数派の要望のみが実現される危険性が極めて高い。
 憲法審査会の伝統たる「熟議による合意形成」を尊重するのであれば、事実に基づく議論が期待できない現在の政治状況において、憲法審査会を開催すべきではない。

3 憲法尊重擁護義務に違反し、憲法を蹂躙し続ける安倍政権に改憲をリードする資格はない。
 安倍首相は、国会で国会議員に対して憲法改正の議論を進めるように呼びかけるのみならず、防衛大学校の卒業式で改憲を示唆する演説を行なうなど、内閣総理大臣の資格に基づいて憲法改正を推進する主張を繰り返している。
 しかし、首相には「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)が課されている以上、そもそも改憲を口にすることは許されない。また、憲法96条を前提とする改憲手続法や国会法では、憲法改正の発案権は国会には認められているものの、内閣や首相には、その権限は与えられていない。内閣や国務大臣には発案権がないにもかかわらず、内閣総理大臣という資格に基づいて具体的な憲法改正を呼びかける安倍首相の行為は、憲法尊重擁護義務(憲法99条)、憲法改正手続き(憲法96条)に違反するというべきである。
 安倍政権は、これまでも、秘密保護法、集団的自衛権の一部行使容認の閣議決定、安保法制、刑訴法改悪・盗聴法拡大、共謀罪など、国民の多くが反対し、法曹関係者より憲法違反と指摘される数々の立法を、十分な審議もせずに強引に数の力で成立させてきた。憲法に定められた野党議員による臨時国会の召集要求権を無視し、他方で(首相は)解散権を濫用して衆議院を解散する暴挙も繰り返してきた。
 このように、憲法を無視し蹂躙し続ける安倍政権のもとで、憲法改正の議論を進めることは、自らの憲法違反は棚上げして公権力に都合のよい形で、強引に憲法改正を審議するという悪しき前例を作りかねないものであるから、憲法審査会を開催すべきではない。

4 与党が提出した改憲手続法改正案は議論に値しない。
 与党が提出したいわゆる「公選法並び」の改憲手続法改正案は、2007年5月の同法成立時や2014年6月の同法改正時の附帯決議で挙げられた問題点等の検討を完全に怠ったものであり、抜本的な見直しが不可欠な欠陥改正案と言うべきものである。
 改憲手続法の成立時や前回改正時の与党の対応や前述のような現在の政府与党の姿勢・性質に鑑みれば、もし憲法審査会を開催して改憲手続法改正案の議論に応じた場合、附帯決議で挙げられたり野党が求めたりするような問題点を与党が真摯に受け止める保障は全く無い。欠陥法である与党提出の改正案が強行採決で可決され、与党がその後具体的な改憲案の議論に突き進むことは明らかである。
 なお、与党などには「提出済みの法案審議に応じないのは野党の怠慢だ」などといった批判をする者もいるが、いわゆる「原発ゼロ基本法案」や「共謀罪廃止法案」といった野党提出法案の審議に与党が全く応じていない以上、ご都合主義と言うほかない批判である。
 与党が提出した改憲手続法改正案は、内容的には議論に値せず、また安倍首相の求める改憲の呼び水としての危険性を持つものであるから、その議論のために憲法審査会を開催すべきではない。

5 終わりに
 6団体連絡会はこれまで、秘密保護法・安保法制・共謀罪といった立憲主義を破壊する安倍政権の一連の施策に反対し、自民党改憲4項目の本質と危険性についても警鐘を鳴らし続けてきた。
 現時点での憲法審査会の開催は、安倍首相が目指す改憲実現へと道を開くことに他ならず、これに断固として反対するものである。

2019年4月12日

改憲問題対策法律家6団体連絡会
         社会文化法律センター       共同代表理事 宮里 邦雄
         自 由 法 曹 団        団 長    船尾  徹
         青年法律家協会弁護士学者合同部会 議 長    北村  栄
         日本国際法律家協会        会 長    大熊 政一
         日本反核法律家協会        会 長    佐々木猛也
         日本民主法律家協会        理事長    右崎 正博
2020/07/05
「安倍改憲発言」「自民党改憲案」へ反対の動き(4)
■■憲法審査会の開催、発議に反対する緊急声明■■
<丸山重威>
 自民党は「国会議員には憲法問題の発議をする責任がある」などと言う詭弁を弄し、審査会開催に反対する野党議員を「職務怠慢だ」などと誹謗・中傷して、憲法審査会を開かせようとしました。しかし、憲法審査会は、全会一致でことをすすめるという合意があり、野党の反対で実質的な審議はできないできています。こうした情勢について法律家団体が声明を出しています。
この中で「改憲手続き法」と言っているのは、いわゆる「国民投票法」ですが、問題は広告規制をどうするか、で与野党の意見が真っ二つです。与党は、このうち、投票場所を増やすとか、公選法並みの手続きだけは決めたい、といっていますが、それを突破口にして、広告規制は野放し、公務員や教員は厳しく運動を制限するといった、規制を押しつけようとしているのが実態です。法律家6団体はこうした問題について分析し、議論してこの緊急声明を出しています。

▼安倍政権が進めようとしている改憲案(4項目改憲案)の発議を許さず、安倍改憲のための憲法審査会の開催に強く反対する法律家団体の緊急声明

2019年11月12日

 はじめに
 安倍首相は、自民党人事刷新にあたり、「必ずや憲法改正を成し遂げる」「新しい時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向け、衆参両院で第一党の自民党が憲法審査会で強いリーダーシップを発揮すべきだ」と述べ、臨時国会の所信表明演説では、「令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法審査会ではないでしょうか」と訴えて、自らの任期中に改憲を成し遂げることに強い執念を燃やしている。
 改憲問題対策法律家6団体連絡会は、自民党4項目改憲案に強く反対し、現時点における憲法審査会の始動は、以下のとおり、国会議員の憲法尊重擁護義務(憲法第99条)に違反し、かつ、安倍自民党政権が進めようとしている改憲の動きを加速させるだけのものになりかねないことから、衆参憲法審査会の開催に断固反対するものである。

1 自民党の4項目改憲案の危険性・・・その狙いは憲法9条の改憲にある。
 自民党の改憲4項目は、①憲法9条に自衛隊を明記する、②緊急事態条項の新設、③合区解消、④教育充実、であるが、安倍首相自身が語るように、最大の目的は憲法に自衛隊を明記する9条の改憲である。
 安倍首相は、この改憲によっても「自衛隊の任務・権限は変わらない」などと述べているが、現状と変わらないのであれば改憲など不要なはずである。上記改憲案は、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条2項を空文化し、「必要な自衛の措置」の名目で、憲法違反の安保法制をも超える権限を持つ、無制限の集団的自衛権の行使を憲法上可能にし、自衛隊を通常の「軍隊」・「国防軍」にしようとするものに他ならず、「戦争をしない国」という我が国のあり方を根底から変える危険な改憲案であって、絶対に許してはならない。
 緊急事態条項は、9条改憲とあいまって、軍事的な緊急事態において、国権の最高機関である国会の立法権を奪い、内閣が独裁的に国民の人権制限を行うことを可能にすることものである。大地震などの自然災害の対応についてはすでに充分な法律が整備されており、憲法に緊急事態条項を置く必要性はない。
 合区解消は、投票価値の平等を侵害するおそれがあり、仮に合区に関わる問題の解決が必要であるならば、議員定数や選挙制度の改革など法律改正で解決すれば足りるのであり、改憲の必要性はない。
 教育の充実も、法律や予算措置によって実現できるものであり、改憲の必要性はない。教育格差を是正すべき文科大臣が「身の丈」発言をするような安倍政権の退陣こそが教育の充実につながるものである。
 以上のとおり、自民党改憲案は、我が国を「戦争のできる国」に作り変えようとするところに本質があり、日本国憲法の基本原理である平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を破壊するものであって、断じて許してはならない。これが参院選で示された国民の意思であり、このような危険な改憲に踏み出す憲法審査会の開催に応じるべきではない。

2 国民は憲法改正を望んでいない
 今、国民が、憲法改正を必要とは考えていないことは、この間のいずれの各種世論調査からも明らかである。例えば、7月22~23日の朝日新聞の世論調査では、首相に一番力を入れて欲しい政策は「年金などの社会保障」が38%で最も高く、「憲法改正」は3%であった。9月6~8日のNHKの世論調査でも、「新内閣が最も力を入れて取り組むべきだと思うこと」は「社会保障」が28%、「景気対策」が20%に対し、「憲法改正」は5%であった。
 国民は、10月1日からの消費税率10%への増税、相次ぐ台風による大規模災害などに苦悩と不安を抱き、こうした問題の解決にこそ政治の力を求めている。そうした中で、2週連続で経済産業大臣と法務大臣が辞任し、萩生田文部科学大臣の大学入試における民間試験導入による経済的・地域的格差を是認する「身の丈」発言をきっかけに世論の激しい批判を受けて、英語民間試験の導入を延期せざるを得なくなるなど、安倍政権そのものが根底から揺らいでいる。
 このような情勢下にある臨時国会において、国民は憲法改正論議を進めることなど全く望んでいないことは明白である。
 憲法改正は、「国民のなかから憲法を改正すべしという世論が大きく高まってきて、国民的なコンセンサスがそういう方向で形成されることが必要である」(1980年11月17日政府統一見解)。
 国民の支持がないままに、「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)を負う首相や国会議員が改憲議論を主導することは、明らかな越権行為であり、憲法尊重擁護義務に違反する。

3 与党提出の改憲手続法改正案の審議について
 自民党の森山国会対策委員長は、11月9日鹿児島市で開かれた会合であいさつし、与党提出の改憲手続法改正案について、「公職選挙法に基づいて国民投票法を改正しようということなので、ほとんどの与野党は議論がないと思う。」「何としても審議し、結論を出してもらいたいと強く思う」と述べ、今臨時国会で成立を目指す考えを重ねて強調した。
 与党提出の改憲手続法改正案は、2016年成立の改正公職選挙法の内容にそろえて国民投票環境の改善を目指すと説明されている(いわゆる「公選法並びの」改正案)ものであるが、投票環境の後退面も含まれるほか、何よりも、テレビ、ラジオ、SNS等による国民投票運動の有料広告の規制について検討がなく、現行法の持つ「国民投票をカネで買う」危険が全く考慮されていないという本質的な欠陥がある改正法案である。そのほかにも、公務員・教育者の国民投票運動をめぐる不当な規制の問題や最低投票率の問題など、極めて多数の問題が解決されていない。これらの問題点の抜本的な議論と見直しのないまま改憲手続法改正案を成立させることは許されない。
 さらに、我々法律家6団体は、憲法審査会を開き改憲手続法改正案を審議・採決すること自体にも反対する。なぜならば、自民党公明党は、これまで数の力を恃んで憲法違反が指摘される多くの問題法案の強行採決を繰り返してきた。憲法審査会において改憲手続法改正案の審議に進めば、重大な欠陥法案である与党案の採決が強行される可能性も否定できない。野党が、与党提出の改正案の議論に応じても、自民党が抜本的な手続法改正の議論に真摯に応じる保障はなく、任期中の改憲を目指す安倍自民党は欠陥改正法案を多少の手直しで強行採決し、自民党改憲案の実質議論に突き進もうとすることは目に見えている。欠陥改正改憲手続法を成立させることは、自民党改憲案が憲法審査会に提示される道を開き、改憲発議、国民投票への道を開くものというべきである。
 自民党改憲案は、我が国を「戦争する国」に作り変えようとするものである。その発議と国民投票に向けての最初の一歩を踏み出すことは、改憲を望まない国民の意思に反すると確信する。
 以上のとおり、私たち改憲問題対策法律家6団体連絡会は、自民党改憲案に強く反対する立場から、憲法審査会の開催に断固反対し、改憲手続法改正案の審議・採決にも反対するものである。
以上

   2019年11月12日                      
        改憲問題対策法律家6団体連絡会
           社会文化法律センター        共同代表理事 宮里 邦雄
           自 由 法 曹 団         団 長    吉田 健一
           青年法律家協会弁護士学者合同部会  議 長    北村  栄
           日本国際法律家協会         会 長    大熊 政一
           日本反核法律家協会         会 長    佐々木猛也
           日本民主法律家協会         理事長    右崎 正博
2020/07/05
「安倍改憲発言」「自民党改憲案」へ反対の動き(3)
■■署名運動■■
<丸山重威>
 自民党は中央にあった憲法改正推進本部を地方支部にも置くように指示、地域での改憲集会も開かれています。憲法改正は、地域の闘いになってきています。

▼安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名 (署名簿)
 
内閣総理大臣様
衆議院議長 様
参議院議長 様
 2017年5月3日、安倍晋三首相は突然、「新たに憲法9条に自衛隊の存在を書き込む」「2020年に新憲法施行をめざす」と述べました。この発言を受けて、改憲への動きが急速に高まっています。
 戦後70年以上にわたって、日本が海外で戦争をしてこなかった大きな力は憲法9条の存在と市民の粘り強い運動でした。いま、9条を変えたり、新たな文言を付け加えたりする必要は全くありません。私たちは、日本が再び海外で「戦争する国」になるのはゴメンです。
 私たちは、安倍首相らによる憲法9条などの改悪に反対し、日本国憲法の民主主義、基本的人権の尊重、平和主義の諸原則が生かされる政治を求めます。
 請願事項
 1:憲法第9条を変えないでください。
 2:憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治を実現してください。
    (署名・住所)

 第1次集約2017年12月20日
 第2次集約2018年4月25日
 第3次集約2018年5月末
    呼びかけ団体: 安倍9条改悪の!全国市民アクション
     戦争をさせない1000人委員会/憲法9条壊すな!実行委員会
     戦争する国作りストップ! 憲法を守り、生かす共同センター/九条の会

▼安倍9条改憲NO! 改憲発議に反対する全国緊急署名(署名簿)

内閣総理大臣様
衆議院議長 様
参議院議長 様
 2019年7月の参院選で、安倍晋三首相の改憲に賛成する勢力が3分の2を割りました。有権者は安倍首相に憲法96条の規定による改憲発議が可能な勢力を与えませんでした。
 にもかかわらず、安倍首相は民意が「改憲について論議すべき」という意思を表明したなどと、全く事実に反る強弁をしています。そして自らの総裁任期の2021年までの改憲を目指して、野党の分断を図り、改憲勢力の再編を狙っています。
 政治が果たすべき課題は山積しています。世論の多くは安倍首相の下でも望んでいません。
 安倍首相が改憲に固執するのは、日本の軍事大国化をさらにすすめ、「戦争する国」に変えようとの狙いからです。もし、9条をはじめとする安倍改憲が実現すれば、日本は米国とともに世界各地での戦争や紛争に介入・参加していくことになるでしょう。
 事態は緊急です。
 私たちは国会が改憲の発議をすることを許さず、すべての市民の平和と人権、生活の向上のため、憲法を守り、生かすことを求めます。
【請願事項】
1:安倍首相らが進める憲法9条などの改憲発議に反対します。
2:憲法を生かし、平和・人権・民主主義、生活の向上が実現する社会を求めます。
(署名・住所)
    呼びかけ団体(著名送付先)  安倍9条改悪の!全国市民アクション
     戦争をさせない1000人委員会/憲法9条壊すな!実行委員会
     戦争する国作りストップ! 憲法を守り、生かす共同センター/九条の会
2020/07/05
「安倍改憲発言」「自民党改憲案」へ反対の動き(2)
■■憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明■■
<丸山重威>
 改憲問題対策法律家6団体連絡会は4月12日、「憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明」を発表しました。

▼憲法審査会の開催に断固反対する法律家団体の緊急声明  2019/4/12
 自由民主党及び公明党などは、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(以下「改憲手続法」という。)の改正案を審議するためとして、衆議院憲法審査会の開催を目指している。
 改憲問題対策法律家6団体連絡会(以下、「6団体連絡会」という。)は、2018年6月4日に、上記改憲手続法改正案の国会提出に反対する緊急声明を発表した。
 6団体連絡会は、改めて上記改憲手続法改正案に対して反対するとともに、以下の理由から、現時点での衆参両院の憲法審査会開催に強く反対するものである。

1 憲法改正の前提となる世論が存在しない
 後述するように、原則として首相や国会議員には「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)が課されている以上、首相や国会議員には憲法を遵守する法的義務がある。憲法改正は、政府や政党、政治家の中から改正すべきとの声が上がった際に行なうものではなく、国民の中から憲法改正を求める意見が大きく発せられ、世論が成熟した場合に限り、行われるべきものである。自民党政権も、昭和55年11月17日政府統一見解(衆議院議運委理事会において宮澤内閣官房長官が読み上げたもの)において、「憲法の改正については、慎重のうえにも慎重な配慮を要するものであり、国民のなかから憲法を改正すべしという世論が大きく高まってきて、国民的なコンセンサスがそういう方向で形成されることが必要である。」と、同趣旨のことを述べている。
 公権力を制約することによって国民の権利・利益を保障することが憲法の役割である以上、政府や国会といった公権力には常に憲法による制約を緩めようと目論む危険性がある。したがって、公権力の側からではなく、国民の側から憲法改正を求める世論が高まった後に、初めて憲法審査会での議論を行なうという謙抑的な姿勢が国会には求められているというべきである。
 近時の世論調査において、政権に期待する政策として「憲法改正」を挙げた割合は1割程度に過ぎず(日経新聞・テレビ東京合同世論調査など)、現在、国民の中で憲法改正を求める世論が高まっているとは到底言えない状況にある。
 このような状況下で憲法審査会を開き、手続法を含む憲法改正に向けた議論を進めることは、結果的に公権力が国民に対して憲法改正を「押し付ける」ことになりかねない。
 憲法改正を求める国民世論という大前提を欠いた現在の状況において、憲法審査会を開催すべきではない。

2 事実に基づく議論が期待できない
 安倍首相(自民党総裁)は今年の自民党大会において、自衛隊員募集に関して「都道府県の6割以上が協力を拒否している」と述べ、9条改憲(自衛隊明記)の必要を訴えた。しかし、この発言は事実に反しており、後に訂正を余儀なくされているものの、事実に反することを改憲の理由に挙げたことについて安倍首相は未だに撤回していない。さらに、森友疑惑をめぐる公文書改ざんと公文書毀棄、証拠隠滅、加計疑惑での事実を隠す数々の答弁、自衛隊の「日報」隠し、裁量労働制をめぐる不適切データの使用、財務省事務次官のセクハラ問題等々、安倍政権下の政府与党には、事実を軽視し、あるいは事実を歪めて議論を強引に進める姿勢が顕著である。直近でも、塚田一郎前国土交通副大臣が下関北九州道路に関する「忖度発言」で辞任に追い込まれたばかりであるが、政府与党は発言内容の真実性を認めようとしない。
 このような安倍首相や政府与党の姿勢・性質に鑑みれば、現時点で憲法審査会を開催した場合、事実に基づく慎重な議論が行われることは期待できず、強引な議論で多数派の要望のみが実現される危険性が極めて高い。
 憲法審査会の伝統たる「熟議による合意形成」を尊重するのであれば、事実に基づく議論が期待できない現在の政治状況において、憲法審査会を開催すべきではない。

3 憲法尊重擁護義務に違反し、憲法を蹂躙し続ける安倍政権に改憲をリードする資格はない。
 安倍首相は、国会で国会議員に対して憲法改正の議論を進めるように呼びかけるのみならず、防衛大学校の卒業式で改憲を示唆する演説を行なうなど、内閣総理大臣の資格に基づいて憲法改正を推進する主張を繰り返している。
 しかし、首相には「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)が課されている以上、そもそも改憲を口にすることは許されない。また、憲法96条を前提とする改憲手続法や国会法では、憲法改正の発案権は国会には認められているものの、内閣や首相には、その権限は与えられていない。内閣や国務大臣には発案権がないにもかかわらず、内閣総理大臣という資格に基づいて具体的な憲法改正を呼びかける安倍首相の行為は、憲法尊重擁護義務(憲法99条)、憲法改正手続き(憲法96条)に違反するというべきである。
 安倍政権は、これまでも、秘密保護法、集団的自衛権の一部行使容認の閣議決定、安保法制、刑訴法改悪・盗聴法拡大、共謀罪など、国民の多くが反対し、法曹関係者より憲法違反と指摘される数々の立法を、十分な審議もせずに強引に数の力で成立させてきた。憲法に定められた野党議員による臨時国会の召集要求権を無視し、他方で(首相は)解散権を濫用して衆議院を解散する暴挙も繰り返してきた。
 このように、憲法を無視し蹂躙し続ける安倍政権のもとで、憲法改正の議論を進めることは、自らの憲法違反は棚上げして公権力に都合のよい形で、強引に憲法改正を審議するという悪しき前例を作りかねないものであるから、憲法審査会を開催すべきではない。

4 与党が提出した改憲手続法改正案は議論に値しない。
 与党が提出したいわゆる「公選法並び」の改憲手続法改正案は、2007年5月の同法成立時や2014年6月の同法改正時の附帯決議で挙げられた問題点等の検討を完全に怠ったものであり、抜本的な見直しが不可欠な欠陥改正案と言うべきものである。
 改憲手続法の成立時や前回改正時の与党の対応や前述のような現在の政府与党の姿勢・性質に鑑みれば、もし憲法審査会を開催して改憲手続法改正案の議論に応じた場合、附帯決議で挙げられたり野党が求めたりするような問題点を与党が真摯に受け止める保障は全く無い。欠陥法である与党提出の改正案が強行採決で可決され、与党がその後具体的な改憲案の議論に突き進むことは明らかである。
 なお、与党などには「提出済みの法案審議に応じないのは野党の怠慢だ」などといった批判をする者もいるが、いわゆる「原発ゼロ基本法案」や「共謀罪廃止法案」といった野党提出法案の審議に与党が全く応じていない以上、ご都合主義と言うほかない批判である。
 与党が提出した改憲手続法改正案は、内容的には議論に値せず、また安倍首相の求める改憲の呼び水としての危険性を持つものであるから、その議論のために憲法審査会を開催すべきではない。

5 終わりに
 6団体連絡会はこれまで、秘密保護法・安保法制・共謀罪といった立憲主義を破壊する安倍政権の一連の施策に反対し、自民党改憲4項目の本質と危険性についても警鐘を鳴らし続けてきた。
 現時点での憲法審査会の開催は、安倍首相が目指す改憲実現へと道を開くことに他ならず、これに断固として反対するものである。

2019年4月12日

改憲問題対策法律家6団体連絡会
         社会文化法律センター       共同代表理事 宮里 邦雄
         自 由 法 曹 団        団 長    船尾  徹
         青年法律家協会弁護士学者合同部会 議 長    北村  栄
         日本国際法律家協会        会 長    大熊 政一
         日本反核法律家協会        会 長    佐々木猛也
         日本民主法律家協会        理事長    右崎 正博
2020/07/05
「安倍改憲発言」「自民党改憲案」へ反対の動き(1)
■■自民党改憲案に反対する声明■■
<丸山重威>
 自民党の改憲4項目は、2012年12月の安倍内閣成立依頼、国家安全保障会議の創設、特定秘密保護法制定、武器輸出三原則の廃止、集団的自衛権の行使容認、安保関連法制定、共謀罪法成立など、既に憲法破壊立法を次々成立させてきており、明文による4項目改憲はその集大成とも言えるものでした。 
反対運動も急速に高まりました。法律家が声を上げ、市民団体が署名運動を展開しました。署名は2年間続きましたが、2019年秋「発議反対」に衣替えし、なお続いています。

▼自民党改憲案に反対する憲法研究者声明  2018/4/10

はじめに
 2018年3月25日、自由民主党は党大会を開き、党の憲法改正推進本部がまとめた条文案(「たたき台素案」)に基づいて①自衛隊の憲法9条への明記②緊急事態条項③参議院の合区解消④教育の充実の追加の4つの項目で憲法改正を進めていくことを確認した。
 わたしたち憲法研究者は、森友学園問題における公文書改ざん問題が明らかになった現在、自民党には、憲法改正案を提起する資格がないと強く主張する。昨年の衆議院議員総選挙がおこなわれた時には、すでに改ざんが行われていたのである。改ざんの事実が明らかになっていれば選挙結果も異なっていた可能性がある。さらにいえば、国会は憲法改正を進めるよりも先に、森友学園問題について明らかにする責務がある。憲法は、政治家をはじめとする公務員に対し、国家権力を真に国民のために使うよう義務を課す。森友学園問題では、まさに、国家権力が権力者のために使われたのではないかが疑われているのである。その全貌の解明なくして進められる憲法改正は、まさに、権力者のための憲法改正にならざるをえないであろう。
 次に、わたしたちは、日本国憲法が制定以来日本国の基軸として機能し、日本国民の幸福な生活のために役立ってきたと考える。日本を始め、立憲民主主義に基づく国家は憲法を前提として運営されるのだから、政治をおこなう上で具体的な不都合がないかぎり、憲法は変更されるべきではない。また、説得力ある明確な理由なくして憲法を変更することは、国民に対して思わぬ弊害をもたらす危険性もある。
 以下で、自民党による憲法改正提案がもつ問題点を指摘する。

9条改憲案の問題点
 ①の自衛隊を明記するという9条改正については、2項を残した上で、9条の2として、「必要な自衛の措置」のための「実力組織」として「自衛隊を保持する」という条文を追加するという案が有力視されている。
 自衛隊を憲法で承認し、正式に合憲化することは、自衛隊員のためにも良いことだと考える人もいるかもしれないが、それは全く反対である。というのは、すでに、2014年7月1日の閣議決定によって、憲法解釈が一方的に変更され、この閣議決定にしたがって、2015年9月19日に安保法制が制定されているからである。自衛隊の憲法での承認は、安保法制によって集団的自衛権の行使が認められた自衛隊の承認を意味することに注意しなければならない。
 集団的自衛権は、アメリカのベトナム戦争や旧ソ連のアフガニスタン侵攻など、強国による無用な軍事介入に利用されてきた。安保法制は、自衛隊がそのような軍事活動に参加することを意図するものである。戦力の保持を否定する現行9条の下では、安保法制が合憲と認められる余地はない。ところが、自衛隊を憲法に明記することになれば、安保法制を違憲とはいいづらくなる。つまり、憲法への自衛隊の追加は、安保法制の合憲化が真の目的なのである。自民党の9条改正の提案が実現すれば、自衛隊員は、危険な集団的自衛の仕事を正式にさせられることになるだろう。
 ところで、今回、自民党の憲法改正推進本部は、従来の政府解釈で採用されていた「必要最小限度の実力」ではなく、「必要な自衛の措置」を認める案をたたき台として打ち出していくようである。「必要最小限度」という文言がなくなることで自衛隊の活動に歯止めがかからなくなり、「必要な自衛の措置」には集団的自衛権の行使が当然に含まれることになる。したがって、この条文は、戦力の不保持、交戦権の禁止を定めた9条2項と正面から衝突する。戦力をもたないと宣言しながら、自衛のためには集団的自衛権行使を含む「実力」を行使できるというのである。この改憲によって、憲法9条2項は、全く意味をなさなくなるだろう。
 他にも、自衛隊法7条では、憲法72条や内閣法5条の規定を受けて、「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」としているが、今回の自民党の提案では「内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする」としているため、行政権の主体が内閣であるという日本国憲法の構造と矛盾するおそれがある。この点で、自民党の9条改正の提案は、内閣総理大臣の下に、立法、行政、司法から独立した「防衛」という新たな国家作用を創設することになるのではないかという深刻な問題を内に含んでいるのである。

緊急事態条項の問題点
 ②の改正については、国会議員の選挙が困難な場合における任期延長と、災害において法律に代わる政令を認める真の意味での「緊急事態条項」との二つが提示されている。
前者については、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」が仮に起ったとしても、国政選挙全体を不能にするということなどは通常考えられない。国会議員の選挙は、国民の意見を国政に反映させるための重要な機会である。安易に憲法で任期の延長を認めるべきではない。
 後者は、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」の際に、内閣が法律と同様の効力をもつ政令を制定できるとする。しかし、災害対策基本法など災害に対処するための法律はすでに存在している。これまでの災害の事例をみても、内閣が立法権をもっていればより効果的な災害対処ができたとはいえないだろう。
 また、緊急事態を憲法で承認する場合、自民党案のように、行政権が立法権を無条件に行使できるような規定にすることは大変危険である。ナチスの独裁は、ワイマール憲法の緊急事態条項を悪用することで可能になったということを思いおこす必要があるだろう。
 さらに、自民党案の緊急事態条項は、9条改正と密接な関係がある。今回の自民党案では「大地震その他の異常かつ大規模な災害」となっているが、国民保護法には「武力攻撃災害」への対応規定があり、武力攻撃と災害とが明確に区別されていない。したがって、自民党提案にある緊急事態条項があれば、他国と武力衝突が起きたときに、政令のみで国民の権利を制限することができるようになる。緊急事態条項は、9条改正とともに、戦争を準備し、そのために国民を動員することを可能にするのである。

参議院の合区解消規定と教育の充実規定の問題点
 ③の合区の解消には参議院選挙区の定数を増やしたり、選挙区選出をやめて比例代表に一本化するという方法もあり、必ずしも憲法改正による必要はない。
 また、合区を解消するために憲法改正が必要だとしても、それは、47条を変更するだけではすまないはずである。そもそも、この問題は、参議院に「地方代表」的な性格を与えようとしたとき、憲法43条の「全国民の代表」規定と矛盾するという大きな論点と関わるものである。また、参議院に「地方代表」的な性格を明確に与えることは、衆議院と参議院との関係をどう考えるべきかという、二院制に関する大きな問題に発展せざるをえない。さらに、具体的に提案された条文をみると、衆議院議員の投票価値の平等の憲法判断に影響を与える可能性もある。これらのことを考慮せず、合区を解消するために憲法47条を変えようというのは、いかにも場当たり的な発想であり、国民に提案されるに値するだけの真摯な検討を経ていないと言わざるを得ない。
 ④の教育の充実に関しては、経済的理由による教育上の差別の禁止や国の教育環境整備義務は、現行の26条から当然に導かれる内容であり、憲法を改正する必要はない。反対に、国の義務を憲法に明示することによって、教育内容に対する国の不当な干渉を導く危険性もある。ちなみに当初議論されていた、高等教育の無償化も、その気さえあれば法律で十分実現可能である。また、憲法89条の私学助成問題解消のための改正も、これまで憲法学界も政府も解釈で対応し、大きな問題となっていたわけではない。

おわりに
 憲法改正の提案は、真摯になされなければならない。自民党の憲法改正の提案は、内容においても、また、時期的にも、国民に提案されるだけの真剣さが足りないと言わざるをえない。わたしたちは、自民党の憲法改正の提案に強く反対する。

2018年4月10日

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