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2022/01/16
問われる役所、役人の質
 新型コロナウイルスの感染再拡大が、失業などで生活困窮に陥っている人々をさらに脅かしている。首都東京では、昨年のおおみそかと元旦に、都が住居を失った人の一時宿泊支援の受付窓口を閉めたため、寒風のなか、路頭に迷う人がいた。新型ウイルス感染者の増大で医療体制もひっぱくし、他の病気を患った人が必要な治療が受けられないなど事態はさらに深刻化。公立病院が少ない日本では「治療費が払えないなら診察はできないと断られる」ため、病院に行くことを諦める人もいる。
 若い世代はどうか。「虐待から逃げた18歳。頼みの綱は生活保護です。どうか選択肢をください」。こんなタイトルの署名活動が、オンライン署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で展開中だ。虐待から逃げようと家を出ても、大学生では生活保護を受けられず、進学を断念したり中途退学を迫られたりしている若者がいるという。
 報道によると、署名はNPO法人「虐待どっとネット」(大阪市)の代表理事、中村舞斗さん(32)が呼びかけ、昨年8月にスタート。「最後のセーフティーネット」といわれる生活保護制度を「穴だらけ」と指摘し、大学生でも必要な場合は受給を認めるよう訴えている。
 中村さん自身、幼いころから、親族らの暴力にさらされ、母からもネグレクト(育児放棄)を受けた経験がある。通信制の高校を経て、病院で看護助手として働きながら貯金して看護大学に入学。だが、虐待経験がフラッシュバックして体調を崩し、生活保護が受けられないかと役所を訪れると、冷たく突き放された。大学に通っていることが「ぜいたく」とみなされ、結局、中退した。
 憲法25条では「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を掲げ、生活保護はそれに裏打ちされた制度。だが、厚生労働省は、高校や夜間大学には生活保護を受けながら通えるが、昼間の大学で学ぶ人は原則、生活保護の対象外という、1963年の厚生省社会局長(当時)の通知を根拠に、「虐待被害者であっても認めない」というわけだ。
 「大学に行くのはぜいたくなのか」。こう政府を問いただす署名に共感する人々が徐々に増え、1月半ばで5万筆に迫っている。
 法律や規則は本来、市民の安全や命を守るためにある。前例や慣習に縛られ、実情を見ない、見ようともしない。この国の役所、役人の質が問われている。
2022/01/10
ことしこそ日本政府が核兵器廃絶に踏み出す年に

 世界平和アピール七人委員会は、昨年(2021年)12月27日、「2022年を日本政府が核兵器廃絶に踏み出す年に!」を発表、21年1月に発効した核兵器禁止条約について、3月の核兵器禁止条約締結国会議への参加を求める声明を発表した。(「仲間から」に全文)
 しかし、日本政府は「核兵器国と非核兵器国の橋渡しの役を果たす」というだけで、一向に動かず、「核兵器禁止」への参加を求める国民的要求にまで背を向けている。

昨年批准国が50カ国に達して発効した条約参加国は、署名国が86カ国、批准国も59カ国に達している。さらに、参加に消極的だったNATOからも10月にはノルウェー、11月にはドイツがオブザーバー参加を決めた。
 核兵器禁止に対する国際世論は、じわじわと広がり、1982年6月、荒木武 広島市長の呼び掛けから始まった世界平和首長会議は、今年1月1日現在、166カ国、8063都市にまで広がっている。日本でも、日本原水協が昨年7月に調べたところでは、核禁条約参加を求める意見書は、なんと全1788議会のうち593地方議会に広がった。

 核兵器の拡散を抑えようと結ばれた核兵器不拡散条約(NPT)は、国連加盟国193カ国のうち、189カ国が参加しており、ことしは1月4日から、第10回運用検討会議が予定されていたが、コロナの情勢から延期された。

 ▼核戦争に勝者はない
 一方、この3日、核保有国のアメリカやロシア、中国など5か国が共同声明を発表した。「核戦争に勝者はいない」として、核の拡散防止の重要性を訴え、軍縮に努めていくと強調。「核兵器の保有国同士の戦争の回避と、戦略的なリスクの軽減が最も重要な責務だとみなしている」「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」と強調した。
 しかし同時に、「核兵器は、防衛や侵略の抑止、戦争を防ぐという目的のために存在しなければならない。われわれの核兵器は、他のいかなる国も標的としていない」と、「核抑止力による平和」を主張、「こうした兵器のさらなる拡散は防がなければならないと確信している。核拡散防止条約の義務を果たす」といいながら、核禁止条約には背を向けた。

 この声明について国連のグテーレス事務総長は、「核拡散防止条約で課せられている義務を含め、不拡散や軍縮に関する合意などを順守する必要があるという核保有国の認識を高く評価する」とし、「今後のより具体的な取り組みに期待している」と核保有国の実際の行動に期待を示し、さらに「核をめぐるすべてのリスクを取り除く唯一の方法は、すべての核兵器を取り除くことだ。この目標をできるだけ早く達成するため、核保有国を含むすべての加盟国と協力していく考えを改めて表明する」と強調した。

 ▼ことばだけでなく…
これに対し、国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長は、「彼らは『よい内容』の声明文を書くが、実際は正反対の行動をとっている。多額の金を投入して近代化を進めながら、核兵器の開発競争を行い、常に核戦争に備えている」と批判。専門家からは「核軍縮の議論の方向性を決め、主導権をとるために出された声明ではないか」との分析も出されている。
 
 しかし、その中で唯一の戦争被爆国である日本が、橋渡し役をするという日本が何もしないことこそ不可解だ。まさに、今年は、「日本政府が核兵器廃絶に踏み出す年」でなければならない。 
2021/12/31
謹賀ねこ年

「作用(悪政)」があれば「反作用(押し返す)」
 今年はまさに「反作用」の年
 「謹賀闘虎年」としたいところでしたが、ネットで見たら虎も「ネコ科」なんですって。犬も大きくは「ネコ目(もく)」という分類に含まれています。パンダもネコ目。かっこいい大型ネコ科は「ヒョウ」と「ジャガー」、ライオンは「ネコ科ヒョウ属」・・・「ネコ目」の多さにあらためてビックリ。ペットとして愛されているイエネコたちは「ネコ亜科」に属するそうです。
強引な解釈ですが、2022年は、種類の多いネコ目を先頭に、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ),巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる),酉(とり),戌(いぬ)、亥(い)とすべての干支(えと)がスクラム組んで参議院選挙に圧勝して、改憲の策動に大きく「待った!」をかけようではありませんか

▽ 「青春」(サミュエル・ウルマン)という詩を発見しました。
    人は信念と共に若く 疑惑と共に老いる
    人は自信と共に若く 恐怖と共に老いる
    希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる
彼はいいます「“青春”とは人生のある期間をいうのではなく、こころの様相をいうのだ。優れた想像力、逞しき意思、燃える情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心。このような様相を”青春“というのだ」と。
 つづけて「年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いが来る」と。70歳であろうと16歳であろうと、胸中に抱くものがあるかぎり「青春」なのです。それからすれば私たち、まさに青春ど真ん中!

▽ 若い頃、よく口にしていたのが「ニュートンの法則」でした。
 リンゴが樹から落ちる万有引力のことではありません。「作用と反作用」の法則です。Aという物体がBに力を加えると、Bは同じ力ではね返すという法則です。労働組合時代、ことあるごとにスト権(反作用)を確立したものです。何かがあればただちに「反作用」。敏感でしたね。
 いま、悪政という「作用」のなんと多いことか。対する「反作用」の力を大きなものにしたいですねえ。

▽ 脈絡もなくいろんなこと、いろんな人の言葉を
* 報道によれば12月27日「吉本興業に続き読売新聞大阪本社が大阪府と包括連携協定締結。公然と吉村知事の下僕に。他メディアも追随で大阪は大本営状態に」

* 「維新の何が悪いって、自公政権を代弁する“突撃隊”の役割を担っているところ。規制緩和、労働組合潰し、カジノ推進・・こうした新自由主義的な政策を維新が“突撃隊”になって助けている。それなのに改革者ぶって・・ほんま最低や(れいわ 大石あきこ衆院議員)

* 戦争を知っているやつが世の中の中心である限り、日本は安全だ。戦争を知らないやつが出てきて日本の中核になったとき、怖いなあ。絶対戦争なんかダメだ。だから経験者が戦争の悲惨さを教えてやれ。(田中角栄)

* 過去に目を閉ざすものは、結局のところ現在にも盲目となります。(ヴァイツゼッカ―・西ドイツ大統領)

* アベノマスク不良在庫8000万枚、115億円相当。保管料(2021年3月時点で6億円。アベは不正や隠蔽やのみでなく、巨額の税金を浪費する失政が暴露された。戦後最悪の首相として政界から追放が妥当だろう。(アベ晋三の違憲行為を許さない1万人委員会)
        ことしもよろしくお願いいたします。
<仲築閒 卓蔵>
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