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2021/09/19
日本を変えるチャンスに
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 事実上の退陣に追い込まれた菅義偉首相の後継を決める自民党総裁選が9月17日告示された。
 立候補した河野太郎行政改革担当相(58)▽岸田文雄前政調会長(64)▽高市早苗前総務相(60)▽野田聖子幹事長代行(61)の4人は、いずれも安倍内閣で閣僚を経験。同日、共同記者会見に出席したが、東京五輪、パラリンピック中に感染が再拡大したCOVID―19(新型コロナウイルス)について、実効性のある施策は打ち出されなかった。森友学園を巡る財務省の文書改ざん問題では、野田氏が党に解明チームをつくる考えを示したものの、ほかの3氏は慎重だった。
 総裁選は国会議員(383票)と党員・党友(383票)の計766票で争う。過半数を獲得した候補がいなければ、上位2人の決選投票になる。29日の投開票で新総裁が選出され、10月4日召集(見通し)の臨時国会初日で、第100代首相に指名される。総裁選のすぐ後に、衆院選が控えている。これから水面下で派閥間の駆け引きが行われるのだろうが、だれを「党の顔」にすれば選挙に有利かという視点で総裁が決まっていくのであれば、肝心の党改革には至らないだろう。
 野党にとっては、政権交代のチャンスが到来したといえる。現在、公開中の「パンケーキを毒見する」は菅政権の実態に迫ったドキュメンタリー映画だが、プロデューサーの河村光庸さん(72)は、第2次安倍政権以降、政治は官邸支配となって言葉や議論がなくなり、「議会制民主主義という根本が失われている」との危機感から、製作を思い立った。この映画を見た大学生から「政治に興味を持った」「これからは選挙に行く」などの感想が寄せられているという。この機を逃さず、野党には、女性、子ども、障がい者、LGBTQ、外国人など、だれもが安心して暮らせる社会にするための具体的で明確なビジョンを打ち出してほしい。「真の民主主義国家になる」という一点でつながり、共闘できるはずだ。
 どんな国、社会、コミュニティーで生きるのか。市民一人ひとりが「自分事」として考えることができれば、この国は変わっていくに違いない。
2021/09/13
総裁選大芝居にごまかされるな!
  野党共通政策こそ焦点だ
     「市民と野党の共闘」はまとまった!

 政権のプロモーター、二階幹事長に「恩知らず」と言われた菅義偉首相の退陣が決まり、候補者が絞られてきたことで、マスコミの総裁選報道がますます加熱している。問題は、まるでコロナも五輪も忘れたかのように売れたように、これを大きく取り上げ、騒いでいるテレビ、新聞だ。
 総裁選をこれだけ取り上げるなら、ようやく合意にこぎ着け、発表された立憲野党4党の「野党共通政策」の合意も同じ量だけ取り上げなければ、公平・公正とは言えない。
×           ×
自民党はこれまでもずっと、総裁選を自党のキャンペーンに使ってきた。「政策が違う」と言って、結局同じ一生懸命違いを見せようとしながら、結局、自民党の「いまの政策」は変わらない。
 かつて穏健な保守として支持が高かった宏池会の流れを持つ岸田文雄氏は、何と「改憲の道を探る」とか、「モリカケ、桜などは再調査しない」と発言、「ウイグルでの人権侵害を非難する国会決議」とも主張した。改革派として期待される河野太郎氏は、「再生可能エネルギーを最優先で導入する」と説明したが、「原発再検討」や「女性・女系天皇の検討」などの持論は封印。森友再調査についても、「もうすでに検察、その他、色々動いているわけですから必要ない」と言い切った。
 推薦人は安倍前首相が集めた、という高市早苗氏は「安全保障が第一」と軍拡路線を冒頭に掲げ「アベノミクスを継承、サナエノミクスも」などと公言した。
 要するに、自民党を右派政党に変身させた安倍晋三氏の歓心をどう取るか,の競争を公開して見せているのが「総裁選」なのだ。
×           ×
 8日に発表された,立民、共産、社民、れいわの4党首が署名した、市民連合の提言に合意した共通政策は、6項目。小項目で数えると20項目、19年参院選前に発表された、13項目は「安倍改憲」が提起され、それが重要な課題だった時期だったが、いまはやっぱり「コロナ」。項目に上げられているほか、モリカケ、桜、1億5000万、学術会議など、安倍、菅政権で目立った、「権力の私物化」の真相究明もはっきり位置づけられている。
 共通政策の6つのテーマは、①憲法に基づく政治の回復②科学的知見基づく新型コロナ対策の強化③格差と貧困を是正する④地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行⑤ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現⑥権力の異物かを許さず、公平で透明な行政を実現する―の6つ。「核兵器禁止条約」や「選択的夫婦別姓の実現」、「内閣人事局のあり方見直し」も上げられている。
 こうした「合意」の中で、地域での候補一本化の話し合いがどう進んでいくか。日本のこれからを考えるとき、総裁選の帰趨より大事なのは、この運動である。
 なお、共通政策の全文は、「仲間から」に掲載。
2021/09/07
続報
前進し始めた「本気度」

◎ その立憲民主党の枝野幸男代表が9月4日、次の総選挙での日本共産党との連携について「来週には一定の前進を示せる」と語ったそうです。

◎ これをうけて9月6日、日本共産党の小池晃書記局長は国会内で記者会見。
「我々も『一定の前進を』と求めてきた。(枝野代表が)『一定の前進を示せる』と述べたことを歓迎したい」と。

◎ 立憲民主党の安住淳国対委員長も、野党の選挙に向けた共闘について「国民に、もう一つの、本当の意味での政権交代の選択肢を示していく責任がわれわれにはでてきた。われわれ国対も一役買おう。連携や深化を深めていこう」と発言。

◎ そして小池晃書記局長。「とても心強い発言だ」「自民党の総裁選挙ばかりが報道されている中で、野党が対抗の旗をしっかり立てていくことが非常に大事な時期だ。選挙が目前にあることは間違いないので、一刻も早く共闘体制をつくりたい。そのためにも共通政策と政権協力での合意を、一刻も早く確認していきたい」と。
「本気度」が前進し始めたとお思いになりませんか。

◎ 9月7日の日刊ゲンダイで五十嵐仁・法政大学名誉教授
泥舟は 船長より船を変えるべし

2021/09/05
野党連合政権
本気度が問われる 歴史的な「秋の陣」
 菅首相。総裁選に立候補しない弁が「新型コロナ対策に専念したい」ですって? 悪い冗談はやめてほしい。日本共産党の志位委員長は会見で「菅首相の政権投げ出しは、コロナの失政、強権と腐敗など“こんな政治は我慢ならない”と言う国民の世論と運動に追い詰められた結果だ」「同時に、菅氏個人の問題でなく、9年間の安倍・菅政治そのものの破綻であり、それを全面的に支えてきた自民・公明の政治の破綻だ。政権交代こそ必要だ」と語っている。
 この大事なときいささか気になる発言が。立憲民主党の枝野代表が「衆院選で単独過半数」「共産党との連立否定」のコメントを出した。
私があれこれ言うより、落語家の立川談四楼さんのコメントを紹介しよう。「枝野さん。共産党云々をここで言うかね。横浜の恩義はどこへ行ったよ。またとない政権奪還のチャンスなのに、その気はありませんと言ってるよね。“連合とは手を切りました。共産党と共闘して頑張ります”今はそれだけ言っとけよ」。率直だ。
 「問題はね、立憲が単独で過半数をとれるのかということじゃなくて、腐りきった自民政権を打倒すために、他の人たちとも協力する気があるのか、ということだよね。単に選挙戦術の話じゃない」(U.Kさん)
 ついでに元文科省次官の前川喜平さんのコメント。「共闘しなければファシズムには勝てない」。
 自民の総裁選。メディアは面白おかしく書き立てるだろうが、所詮コップの中の争い。メディアの目くらましに惑わされないようにしよう。病んでしまったこの国を救えるのは、普通の人の1人1票なのだ。
 横浜市長選で山中竹春さんは「市民一人一人の声を聞く。市民の声が通る横浜市政を実現する。カジノよりコロナ」を掲げて圧勝した。
 地方選挙と衆院選が重なるところも多いだろう。歴史的な「秋の陣」だ。(仲)
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