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2022/06/22
平和と生活の保障か、破壊かの分岐点に立って 市民連合「声明

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合は、6月22日、「2022年参議院議員選挙公示に際し、平和と生活の保障か、破壊かの分岐点に立って」の声明を発表しました。「7月10日は、日本社会の明日を決定づける分岐点」と訴えています。
 

  市民連合「声明」/2022年参議院議員選挙公示に際し 
             平和と生活の保障か、破壊かの分岐点に立って(2022年6月22日)

 今回の参議院議員選挙は日本社会の明日を決定づける分岐点となります。

 この選挙は長年にわたる自公連立(安倍・菅)政権を継承し、東アジアの軍事的緊張の増大とコロナ禍対策の失敗、経済政策の破綻によるインフレなどの悪政を人々に押し付け、人々の安全と生活を破壊する「翼賛国会」の道をすすむのか、それともこの悪政を転換する希望の政治への契機をつくるのかの分岐点です。

 今年の通常国会では、3年以上も続いてなお出口が見えないコロナ禍に加えて、生活破壊の物価高騰が人々の生活を直撃し、社会の貧困と格差が猛烈な勢いで拡大しました。長年続いた「アベノミクス」のもとでの異次元金融緩和政策は破綻し、岸田首相がいう「新しい資本主義」とか「所得倍増」などは大企業と大金持ちは富ませても、庶民の生活の苦境と困難が急速に進行しています。いったいこの国の政治はどこの、誰に向いているのでしょうか。いまこそ、長年続いた自公政権に断を下し、有権者の一票で厳しいお灸を据えなければなりません。

 折から勃発したロシアによるウクライナ侵攻に便乗し、改憲と軍備増強の合唱が繰り返されています。声高にさけばれる憲法9条の改憲や緊急事態条項の導入などの声の下で、軍事費の倍増、敵基地攻撃能力保有、核兵器の共有、「台湾有事は日本有事」などなど、従来の日本政府がとってきた「専守防衛」「平和主義」「非核3原則」など「国是」とされてきた政治の原則が相次いで壊される議論が言論界やマスメディアを覆っています。

 昨年の総選挙で自公など与党が圧倒的な多数をしめた国会では、こうした議論に日本維新の会や国民民主党までが加わって、人々が切実に望んでもいない「改憲」を緊急の課題として騒ぎ立て、国会の憲法審査会の議論を強引に進める一方で、経済安全保障法など危うい法律が十分な議論がないままに強行されました。

 圧倒的多数の与党とその追随勢力、翼賛的なメディアの報道のもとで、内閣提出法案成立100%という異常な事態です。民主主義が危機にさらされています。

 ふりかえってみれば前回2019年の参院選の投票率は48.80%で、これは1995年の44.52%に次ぐ低投票率でした。こうして有権者の4分の1程度の支持しか得ていないような政権のもとで、政治が重大な岐路に立たされていることは深刻です。いまこそ私たちはこの国の主権者としての自覚と責任をもって声をあげ、この選挙に参加していかねばなりません。

 さる5月9日、私たち「市民連合」は、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、碧水会、沖縄の風の3党2会派との間で平和、くらし、環境、差別など4つの項目から成る「政策要望書」に合意しました。これらの立憲野党が共同して大きく前進し、明日の政治の変革への希望を切り拓くことができるかどうかは、この参議院選挙の最大の焦点になります。

 7月10日、ここが歴史の分岐点です。

              2022年6月22日

                                 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

2022/06/21
改憲を阻止し、命と平和を守る憲法に基づく政治への転換を求める法律家団体の アピール
 憲法問題に取り組んできた法律家6団体は、参院選に向けて「改憲を阻止し、命と平和を守る憲法に基づく政治への転換を求める」とのアピールを発表しました。

    改憲を阻止し、命と平和を守る憲法に基づく政治への転換を求める法律家団体のアピール
                                         2022年6月20日

                                         改憲問題対策法律家6団体連絡会
                                 社会文化法律センター 共同代表理事 海渡 雄一
                                 自由法曹団 団長 吉田 健一
                                 青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 上野 格
                                 日本国際法律家協会 会長 大熊 政一
                                 日本反核法律家協会 会長 大久保賢一
                                 日本民主法律家協会 理事長 新倉  修

はじめに

 7月10日に投開票を迎える参議院選挙は、専守防衛政策を転換し、軍備を増強し、憲法9条を「改正」して戦争をする国に日本を変えるのか、それとも専守防衛政策を徹底し、憲法9条を活かして日本が非軍事的に平和を創造するあらゆる努力を続ける平和主義の立場を堅持するのかという重大な選択が主権者である市民に求められています。
 私たち改憲問題対策法律家6団体連絡会(法律家6団体)は、改憲にNO!憲法蹂躙の政治に終止符を!の審判を下すことを広く市民に呼びかけます。

1 9条改憲にNO!

 岸田文雄首相は、在任中の改憲に強い意欲を見せており、施政方針演説でもその方針を明言するとともに、憲法記念日にも憲法9条への自衛隊明記への執念を表明しました。
 こうした岸田首相の方針に呼応するかのように、衆議院憲法審査会で改憲ありきの異常な審議が続きました。国民生活の福利のために注力すべき予算審議の時期にあえて憲法審査会を開催しました。改憲論議を必要とする世論が醸成されていないにもかかわらず、自民党、公明党、維新の会、国民民主党などは、衆議院憲法審査会の毎週開催を強行に要求し、積極的に改憲論議を展開してきました。特に、ウクライナ侵攻を契機として自民党、維新の会は「憲法9条では国を守ることはできない」と述べ、憲法9条を「改正」し自衛隊を明記する必要性を強調しました。自衛隊が憲法に明記されれば、憲法9条は死文化し、歯止めのない軍拡と武力行使が可能となります。平和主義の理念を葬ることは、国民主権と基本的人権の尊重という憲法の体系そのものも破壊し、軍事の論理が人権や民主主義に優先する国となる危険があります。

2 国民(市民)の命と生活を犠牲にする戦争する国にNO!

 憲法9条違反の政治が自公政権のもとで進んでいます。岸田首相は、敵基地攻撃能力の保有と軍事力の抜本的強化を繰り返し宣言しています。敵基攻撃論は、国際法上違法とされる先制攻撃と紙一重であり、攻撃対象を「指揮統制機能」に拡大すれば、国際人道法違反にも問われかねないものです。5月23日の日米首脳会談では、ウクライナ危機を口実に「力に対して力で対抗する」ことが宣言されていますが、これは憲法9条が掲げる「外交による平和の実現」をかなぐり捨てるものです。
 また、安倍晋三元首相や維新の会は「核共有」の議論を始めるべきと述べ、核兵器禁止条約に背を向け、日本が堅持し続けてきた非核三原則まで捨て去ろうとしています。自民党は、①敵地攻撃能力の保有並びに攻撃対象を敵国中枢に拡大②防衛予算を5年以内にGDP比2%③日米軍事同盟のさらなる強化と核抑止力の強化④核持ち込み禁止の見直しなど、専守防衛政策の転換を求める提言を岸田首相に提出しました。
 日本維新の会も、安倍元首相が民放番組で核共有の議論を促すとすぐさま賛成し、①防衛費増額GDP2% ②中距離ミサイル等の装備拡充③核共有等の拡大抑止の議論開始④専守防衛の「必要最小限」の見直しなどを打ち出しています。

 しかし、専守防衛政策を捨ててこれ以上軍事力を増大させることは、日本や近隣諸国の安全保障環境を危機に陥れかねません。日本が敵基地攻撃能力を保有し、核共有を実施し軍事力を倍増させることは、必然的に周辺国の疑心暗鬼を招き他国も軍事力を増強することにつながります。軍事力に頼る抑止論は、果てしない軍拡の応酬と相互不信を生むだけであり、近隣諸国の緊張関係を亢進し軍事衝突の危険を逆に増すことになります。
 むしろ地域のすべての国を包み込む安全保障と非軍事的支援の枠組みを作ることこそ唯一の平和への道であり、憲法9条はそれを指し示す役割を担っています。

 さらに、軍事費を増大させることは、私たちの生活のために必要な福祉予算を削る、あるいは消費税を大増税するということを意味します。防衛費倍増5兆円があれば、大学授業料の無償化、児童手当の高校までの延長と所得制限の撤廃、小中学校の給食無償化(合計約3.2兆円)をしてさらに余りがでます。また、年金受給者に対してその受給額を一律年12万円増加させる(約5兆円)こともできます(6月3日東京新聞調べ)。ただでさえコロナ禍や近時の物価高騰で悩まされている市民は、こうした財政支出こそ望んでいるはずです。
 私たちは、軍事力に依存した政策にきっぱりとNOを突きつけなければなりません。

3 「政策要望書」を一致点とした野党共闘こそ求められている

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)は、5月9日、平和・暮らし・気候変動・平等と人権保障の4つの柱からなる「政策要望書」を発表し、立憲民主党、共産党、社民党、沖縄の風、碧水会の3党2会派はこの要望書を口頭にて確認しました。この確認された「政策要望書」には、「憲法が指し示す平和主義、立憲主義、民主主義を守り、育む」という理念が記されるとともに、「非核三原則を堅持し、憲法9条の改悪、集団的自衛権の行使を許さない、辺野古新基地建設は中止する」という目標が掲げられており、私たちの主張と一致しています。

 さらに「政策要望書」は、「すべての生活者や労働者が性別、雇用形態、家庭環境にかかわらず、尊厳ある暮らしを送れるようにする」、「原発にも化石燃料にも頼らないエネルギーへの転換を進め(る)」「すべての人の尊厳が守られ、すべての人が自らの意志によって学び、働き、生活を営めるように人権保障を徹底する」としています。これらは、いずれもコロナ禍の中で苦しめられてきた市民の命と暮らしを第一に据えた政策であり、私たち法律家6団体が求めてきたことと一致します。
 私たちは、立憲野党がこの「政策要望書」を共有し、参議院選挙を共同して闘うよう決意したことを大いに歓迎するともに、この政策に基づき自公政権の下で破壊された憲法秩序と人権保障を回復する政治を実現し明文改憲を阻止することを強く期待します。

4 参議院選挙で勝利し改憲を阻止し、平和を創造する政治への転換を

 7月10日の参議院選挙を終えると、その後3年間は国政選挙はなされないと言われています。改憲勢力は、これまで選挙直前には「改憲」の主張を一時的に隠しますが、選挙直後には再び改憲を声高に叫んできました。仮に改憲勢力へ改憲に必要な3分の2の議席を与えてしまうと、この3年のうちに改憲発議がなされる危険も決して杞憂とは言えません。

 その意味で、この参議院選挙は、軍事優先の国家づくりにストップをかけることができるか否か、東アジアの平和構築を図ることができるか否かの重大な選挙であると言えます。いうまでもなく、平和なくして命や人間の尊厳は守れません。
 きたる参議院選挙では、改憲勢力である自民、公明、維新にNO!の審判を下すよう呼びかけます。そして、参議院選挙が、命を守り平和を創造する政治への転換となるよう、私たち法律家もみなさまとともに行動することを宣言します。


                                                   以上



日本民主法律家協会
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-14-4 AMビル2・3階
TEL:03-5367-5430 FAX:03-5367-5431

2022/06/08
改憲ありきの憲法審査会の運営に抗議する法律家団体の声明
いま、憲法審査会が「暴走」しています。
 ずっと、傍聴を続けてきた、法律家6団体は、この状況を国民に訴えようと声明を出しました。


改憲ありきの憲法審査会の運営に抗議する法律家団体の声明

2022年6月7日
改憲問題対策法律家6団体連絡会
社会文化法律センター 共同代表理事 海渡 雄一
自由法曹団 団長 吉田 健一
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 上野 格
日本国際法律家協会 会長 大熊 政一
日本反核法律家協会 会長 大久保賢一
日本民主法律家協会 理事長 新倉 修

1 はじめに
 我々改憲問題対策法律家 6 団体連絡会は、本年 2 月 24 日、2022 年 1 月 17 日に召集され
た第 208 回通常国会に際し、「自民党改憲案(4 項目改憲案)に反対し、改憲ありきの憲法
審査会の始動には反対する法律家団体の声明」を発表し、いま政治が行うべきは未だに収束
を見ない新型コロナウィルス対策など国民の生命と暮らしを守ることであり、世論は改憲
を求めていないこと、そして憲法審査会の開催に固執する改憲派の狙いは 9 条改憲にあり、
緊急事態条項その他の改憲項目についても改憲は必要性がないことを明らかにした。
 その上で、憲法審査会でまず行うべきは、2021 年に公選法並びの改正との理由だけで極めて不
十分な内容のまま成立させられた「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する
法律」(以下「改憲手続法」)の本質的な欠陥を附則 4 条に基づき是正することや、憲法違反
が横行する現政権の横暴を調査是正することであり、自民党 4 項目改憲ありきの改憲論議
を進めることは許されないことを指摘した。
 しかし、衆議院憲法審査会は、これまでの慣例を破り、予算審議期間中である同年 2 月
10 日を皮切りに、3 月 10 日と祝日の 5 月 5 日を除いて毎週開催されたうえ、改憲手続法の
本質的な欠陥を是正するための議論を行うこともなく、緊急事態条項、安全保障(憲法 9条)、
地方自治等、自由討議の名のもとに、自民党改憲 4 項目を中心とした改憲項目についての
議論を行った。
 私たち改憲問題対策法律家 6 団体連絡会は、かかる改憲ありきの憲法審査会の運営に強
く抗議し、直ちにかかる運営を見直し、いま求められている命と暮らしを守る政策を優先し
て議論することを求める。

2 憲法審査会における審議状況

(1)憲法軽視の乱暴な改憲議論
 自民党は、2021 年 11 月、「衆参憲法審査会における議論の促進に努めるとともに、
国民との対話集会や遊説などを活発化させ、憲法改正に向けた機運をこれまで以上に
高めていく方針」を掲げ、憲法改正推進本部を憲法改正実現本部に改組し、岸田首相は
第 207 回、第 208 回国会所信表明演説で憲法改正の議論を呼びかけるとともに予算審
議期間中に憲法審査会が開催されたことを歓迎し、2022 年 5 月 3 日の憲法記念日には
自民党改憲 4 項目の早期実現が求められる等と改憲に向けた発言を繰り返している。
 また、日本維新の会は、2022 年 7 月に予定される参議院議員選挙と同日での国民投
票を呼びかけ、岸田首相に具体的な改憲日程を示すことを求め、2022 年 5 月には憲法
9 条の改憲案を示すなど、拙速に改憲を進めようとしている。
 これら 2 党に加え、国民民主党、公明党も加わり、国会でのオンライン審議を呼び水
とし、強硬に憲法審査会の開催が要求された結果、国の方針を左右する重要な予算審議
期間中にもかかわらず衆議院では毎週憲法審査会が開催された。また、高橋和之参考人、
只野雅人参考人がいずれも反対、もしくは慎重審議の意見を述べたにもかかわらず、緊
急事態が発生した場合等においてはオンライン出席を認める解釈が大勢であったとす
る取りまとめを多数決により拙速に行った。
 とりまとめを多数決で行い、公選法並びの 3 項目の趣旨説明を強行するなど、与野党
一致で運営を行うという慣例に反する運営が行われたことはきわめて問題である。

(2)コロナ禍やウクライナ侵攻に乗じた自民党 4 項目改憲ありきの議論
 改憲派は、緊急事態条項創設や安全保障については、コロナ化やロシアによるウクラ
イナ侵攻、日本を取り巻く安全保障環境の変化等を理由に掲げている。しかし、ロシア
による侵攻を受けたウクライナでさえ議会の機能は失われていないし、わが国において
も過去の戦争中も国会は開催されている。大規模自然災害によって国会機能が維持でき
なかったり、長期に亘って国政選挙ができなかった事態はこれまでになく、今後も想定
し難いのであるから、改憲の立法事実を欠く。
 にもかかわらず、憲法を一時的に停止して国民の人権を制限する権限を内閣や内閣
総理大臣に与えたり、選挙を延期して国会議員の任期を延長する等の緊急事態条項を創
設することは、到底許容されるものではない。
 憲法 9 条に関しても、ウクライナと日本では全く状況が異なる上、9 条を改憲し軍事
力を強化することは、日本が周辺諸国に対して脅威となることをあからさまに示すこと
にほかならず、かえって日本の安全保障環境を悪化させるおそれがある。また、日本維
新の会は、衆院憲法審査会の場でも「核共有」の議論を開始すべきなどと述べたが、唯
一の戦争被爆国である日本が、核抑止論に依拠し、果ては核共有を行うことなど断じて
許されるものではない。
 合区の問題や教育無償化についても、憲法を改正する必要性がないことは改憲派も
認めるところであり、「改憲をする」こと自体を目的化しての議論といわざるを得ない。
憲法は、主権者たる国民が制定権力を持ち、侵すことのできない基本的人権を定める
ことで政府による人権侵害を防ぐものである。上記のような自民、公明、維新、国民民
主の各政党による立憲主義に反する乱暴な改憲ありきの姿勢は、主権者国民の意思を完
全に無視し憲法を軽視するものというほかなく、国会議員の憲法尊重擁護義務(憲法 99
条)にも違反するものであり、断じて許されない。

(3)改憲議論の前に行うべきこと
  2021 年 6 月 11 日に成立した改憲手続法は、野党及び参考人から CM 規制、資本規制
等の根本的な欠陥を指摘されながらも、公選法並びの 7 項目の改正のみ拙速な審議で
成立させたものである。そのため、附則 4 条により、「施行後 3 年を目途に」、有料広告
制限、資金規制、インターネット規制などの「検討と必要な法制上の措置その他の措置
を講ずるものとする」とされている。
 改憲手続法は、国民の憲法改正権の具体的権利行使のための手段を定めた法律であり、
憲法が国民の意思に基づき制定されたという正当性を根拠づける極めて重要な法律で
ある。しかるに、現状の改憲手続法は、有料広告規制、資金規正、インターネット規制
については極めて不十分である。強い影響力のあるテレビ CM のみならず、SNS 等が広
く普及し、AI によるプロファイリングに基づくマイクロターゲティング広告等を用い
た世論誘導等の危険性が大きな問題となっている現代社会において、現状の改憲手続法
に基づく国民投票では、到底憲法の正当性を根拠づけることはできないといえ、根本的
な見直しが不可欠である。
 それにもかかわらず、2022 年 4 月 28 日に衆院憲法審査会で自民、公明、維新の会等が
提案した改憲手続法改正案は、上記根本的な問題点には触れることなく、2019 年 5 月
8 日及び 2022 年 3 月 31 日に成立した公職選挙法 3 項目改正に並べたものであり、
全く改正を急ぐ必要のないものであった(法律家 6 団体 2022 年4 月 20 日付声明参照)。
かかる改憲派の態度は、憲法の正当性など意に介さず、自身の都合の良いように改憲手続
を進めようとする意図が如実に表れたものであり、到底許されるものではない。

 憲法審査会は、その目的に「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に
ついて広範かつ総合的に調査を行」うことが掲げられている(国会法 102 条の 6)。すな
わち、憲法審査会が行うべきは、改憲議論だけではなく、憲法にかなう政治が行われて
いるかどうかの調査も含むものといえる。2022 年 5 月 25 日には、最高裁において、最
高裁判所裁判官の国民審査について在外投票ができない現行法制について、戦後 11 例
目となる違憲判決が下されている。このように、国民の権利が制約され違憲状態である
ことが司法によって明確に断じられた事項について、早期に違憲状態を解消するために
議論を行うことこそ、優先して行われるべきである。

3 いま行うべきは改憲議論ではない

 新型コロナウィルス感染症の蔓延も徐々に落ち着きつつあり、ようやく自粛も解除さ
れ経済が再開しつつあるものの、2 年以上にわたるコロナ禍で疲弊しきっている上、ロシ
アによるウクライナ侵攻も相まって、世界的な半導体不足や経済制裁による貿易の減退
などによる物価の高騰により、多くの人々の生活が更なる窮地に追い込まれている。そう
いう中でありながら、自民党は、防衛予算をGDP比2%にまで増大せよ(現在より約6
兆円増)とする提言を発表している。一方、5 月 25 日、熊本地裁は、生活保護費の引き
下げを違法と判断し、政府による国民生活を支える生活保護給付の引き下げに待ったを
かける判決を下している。
 「9条改憲NO!全国市民アクション」は、2022 年 5 月 19 日に 62 万筆を超える
「憲法改悪を許さない全国署名」を国会に提出した。また、現在の情勢に合わせて署名用
紙をリニューアルし、さらなる拡大を見せている。
 今政治に求められているのは、緊急事態条項創設等のための憲法改正ではなく、経済を
立て直し、あらゆる人々が健康で文化的な最低限度の生活が保障される社会を構築する
こと及び憲法 9 条の精神に基づき平和な国際社会を構築するために武力によらないあら
ゆる外交努力を尽くすことである。
 私たち 改憲問題対策法律家6団体連絡会は、安易な改憲ありきの憲法審査会の運営に
強く抗議するとともに、国会議員一人一人が、立憲主義の回復及び市民の命と暮らしを守
るための活動にこそ全力で取り組むよう、改めて強く求めるものである。
                                 以上
2022/05/03
核の冬防ぐため、各国代表はモスクワへ、キーウ訪問を

(↑をクリックでワードファイルのダウンロードができます)

友人のみなさま

 ウクライナ問題では、いろいろ心を痛めていらっしゃることと思います。
私が事務局を手伝っている世界平和アピール7人委員会が、アピールを出しました。
広く拡散してください。

 確かに、核が使われることについて、私たちは広島、長崎の悲劇を繰り返させるな、ということに目が行きますが、これは、単にその地域に被害が出るというだけでなく、地球全体に「核の冬」が来ることになる、と言うことです。
また、「ウラジミール」「シンゾウ」という間柄なら、安倍さんは特使としてすぐでもモスクワに行って話すべきだ、とは、みんなが半ば冗談で言っていたことです。しかし、確かに、各国代表が次々行って話す外交、それが大事だろうと思います。
2022/04/08
3月25日、九条の会事務局が「声明」を出しました
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ウクライナ侵略とそれを口実にした
9条破壊、改憲は許さない

 ロシアによるウクライナへの国際法、国連憲章を真っ向から蹂躙した侵略に対して、日本でも強い抗議の声と行動が起っています。ところが、侵略開始直後から、このウクライナ侵略を口実に、「9条で国は守れるのか」、「力のみを信奉する相手には力でしか対抗できない」(国家基本問題研究所「意見広告」)と称して、9条の破壊と改憲を一層推し進めようとする言動が勢いを増しています。
 ロシアによる侵略開始直後の26日には、林芳正外相がブリンケン米国務長官と会談し、ウクライナ侵略を引き合いに出して、対中国を念頭に「日米同盟の抑止力・対処力の強化」を約束しました。翌27日には安倍晋三元首相が、米国の核兵器を日本にも配備し共同で運用し「有事に」使用する「核共有」の議論を始めるべきだと主張し、自民党幹部や維新の会が呼応しました。「敵基地攻撃能力保有」の必要性も、一層声高らかに語られています。
 明文改憲を煽る主張も活発化しています。3月13日に開かれた自民党大会で挨拶した岸田文雄首相は、ウクライナ侵略を「我が事として捉え」防衛力の強化と共に党是である改憲の実行に取り組むこと、「そのための力を得るたたかいが来る参院選だ」と訴えました。衆参両院で開催された憲法審査会においても、自民党や維新の会の議員は口々に、「力による現状変更の脅威」を口実に、緊急事態条項の創設など改憲案の審議の必要性を主張しています。
 しかし、今回のウクライナ侵略が明らかにしたのは、軍事力と軍事同盟の強化は軍事対決・挑発を激化させ国際社会を分断させるだけで、平和の実現に寄与するどころか戦争と武力行使に帰結する、という事実に他なりません。いま、自民党や改憲勢力が「台湾有事」を口実に強行しようとしている日米軍事同盟強化と改憲の道では、日本とアジアの平和を実現するすることはできません。9条を持つ日本政府の責務は、国際社会の分断を修復し、ロシアの侵略に反対し、アジアの紛争を武力によらないで解決する枠組みを作るために各国に働きかけることです。断じて、改憲、9条破壊を許してはなりません。
 ロシアによる侵略以来1ヶ月、すでに地域・草の根で、「憲法改悪を許さない全国署名」などを手に、ウクライナ侵略に抗議し、便乗した改憲策動に反対する市民の行動が展開され、多くの共感が寄せられつつあります。
市民の行動、市民と野党の共闘は、安倍、菅政権が企てた改憲を阻んできました。この力に確信を持ち、市民の皆さんが、ロシアによる人道破壊攻撃と侵略の即時停止と共に、それに名を借りた、改憲と9条破壊の企てを阻むために、立ち上がることを訴えます。
 改憲、9条破壊 NO!の声と行動を強め、来るべき参院選では、市民の力で改憲勢力3分の2を阻みましょう。

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