2021/04/22
改憲手続法採決に反対
 コロナ禍、日米会談、オリンピック、デジタル法など、ニュースに追われる陰で、憲法審査会で改憲手続法を強行してしまおうという策動が動いている。この問題に取り組んできた法律家6団体が緊急に声明をまとめ発表しました。「手続法なら仕方がない」などという問題ではありません。憲法の基本原理に関わる問題です。


「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」の採決に反対し、
                           改憲手続法抜本改正の慎重審議を求める声明

2021年4月20日

                  改憲問題対策法律家6団体連絡会
                    社会文化法律センター共同代表理事   宮里邦雄
                    自由法曹団団長            吉田健一
                    青年法律家協会弁護士学者合同部会議長 上野格
                    日本国際法律家協会会長        大熊政一
                    日本反核法律家協会会長        大久保賢一
                    日本民主法律家協会理事長       新倉修
はじめに

 4月15日、衆議院憲法審査会において、「日本国憲法の改正手続きに関する法律の一部を改正する法律案」(いわゆる公選法並びの7項目改正案)(以下「7項目改正案」という。)の審議が行われた。7項目改正案は、2016年に累次にわたり改正された公職選挙法(名簿の閲覧、在外名簿の登録、共通投票所、期日前投票、洋上投票、繰延投票、投票所への同伴)の7項目にそろえて改憲手続法を改正するという法案である。
 与党議員らは、審議は尽くされたなどとして、速やかな採決を求めている。これに対し、立憲民主党、共産党の委員からは、7項目改正案は、期日前投票時間の短縮や、繰延投票期日の告示期限が5日前から2日前までに短縮されているなど投票環境を後退させるものが含まれていること、憲法改正国民投票は、国民が国の根本規範を決める憲法制定権力の行使であり、本当に公選法並びでいいのかという基本的な問題があること、7項目改正案は、たとえば、洋上投票、在外投票、共通投票所、郵便投票の問題など、国民に投票の機会を十分に保障するという点で問題があり、また、CM規制、資金の上限規制、最低投票率の問題など、憲法改正国民投票の公正を保障する議論がなされていないのであるから、審議は不十分であり、採決には程遠いという意見が相次いだ。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会は、以下の理由により、7項目改正案の採決には強く反対する。

1 憲法改正国民投票(憲法96条)は、国民の憲法改正権の具体的行使であり、最高法規として の憲法の正当性を確保する重要な手段である。参政権(憲法15条1項)の行使である選挙の投票 と同列に扱えば済む、公選法「並び」でよいとするような乱暴な議論は憲法上許されない。

 2016年の公職選挙法の改正は、選挙を専門とする委員会で審議され、「憲法改正国民投票の投票環境はどうあるべきか」との観点での議論は全くなされていない。
 そもそも、憲法96条の憲法改正国民投票は、国民の憲法改正権の具体的行使であり、最高法規としての憲法の正当性を確保する重要な手段である。狭義の参政権である選挙の投票(憲法15条1項)とすべて同列に扱えば足りるとする議論は性質上許されない。ことは国の根本規範である憲法改正にかかわる問題であり、「公選法並び」などという本質を見誤った議論で法案採決を急ぐことは、国民から付託された憲法審査会の任務を懈怠し、その権威を自ら汚すものというべきである。

2 7項目改正案は、国民投票環境の後退を招き、また、そのままでは国民投票ができない国民が出 るなどの欠陥があること

 法案提出者によれば、7項目改正案の目的は、2016年の公選法の改正法と並べることで「投票環境向上のための法整備」を行うこととされる。しかし、7項目改正案の審議は、始まったばかりであり、7項目の内容には以下に例をあげるとおり、投票環境の後退を招き、あるいは国民投票の機会が保障されない国民がでてくるなどの重大な問題がある。憲法改正国民投票は、上記の性質上、できる限り多くの国民に投票の機会が保障されなければならないし、投票環境の後退を招くことは許されない。
 (1)法案自体が、投票環境を後退させるもの
 繰延投票の告示期日の短縮や、期日前投票の弾力的運用は、それ自体、投票環境を後退させるものである。「投票環境向上のための法整備」という立法目的にも明確に違反する。
 (2)投票できない国民が出てくるもの
 洋上投票制度や在外投票制度は、並びの改正によって投票機会の一部については向上が図られるものの、結局、このままでは国民投票ができない国民が出てくるため、国民投票は実施できない。一定の国民について国民投票の機会を保障しないままの法案は、憲法違反の疑いすらある。この不備を修正しないままで7項目改正案を急ぎ成立させる必要性も合理性もないことは明らかである。
 (3)公選法の改正時には、予期できなかった事情や、公選法改選時の附則や附帯決議で必要な措置の検討などが課されている事項で投票環境の後退のおそれがあるもの
 例えば「共通投票所」の設置は、「投票所の集約合理化」=削減をもたらしているという実体がある。「共通投票所」を設けたことによって本当に「投票環境が向上」したのか、「利便性が向上」したのか、総括が必要である。また、在外投票についても、在外投票人名簿の登録率は減少している(2009年は9.54%に対して2019年は7.14%)ことを踏まえれば、その原因を解明した上で、その対策を施した改正が必要である。

 また、2016年改正後、「投票環境研究会」は郵便投票の対象者を現行の要介護5から要介護3の者に拡大することを提起している。「利便性の向上」というのであれば、主権者である国民の意思が広く適切に国民投票に反映されることが必要であり、とりわけ新型コロナの感染が拡大する中「郵便投票制度」の拡充は投票機会を保障するうえで喫緊の課題の一つである。
 以上の事項については、事情変更により新たな改正や見直しの検討が必要であり、2016年の公選法改正並びの改正を行うだけでは、「投票環境の向上」にはならないか、むしろ後退させる危険性がある。これらの問題を無視して7項目改正案を成立させることは、国会議員としての怠慢以外の何ものでもない。

3 憲法改正国民投票の結果の公正を担保する議論がなされていないこと

 日本弁護士連合会は、2009年11月18日付け「憲法改正手続法の見直しを求める意見書」において、①投票方式及び発議方式、②公務員・教育者に対する運動規制、③組織的多数人買収・利害誘導罪の設置、④国民に対する情報提供(広報協議会・公費によるテレビ、ラジオ、新聞の利用・有料意見広告放送のあり方)、⑤発議後国民投票までの期間、⑥最低投票率と「過半数」、⑦国民投票無効訴訟、⑧国会法の改正部分という8項目の見直しを求めている。とりわけ、(ⅰ)ラジオ・テレビと並びインターネットの有料広告の問題は、国民投票の公正を担保するうえで議論を避けては通れない本質的な問題である。また、(ⅱ)運動の主体についても、企業(外国企業を含む)や外国政府などが、費用の規制もなく完全に自由に国民投票運動ができるとする法制に問題がないか、金で改憲を買う問題がないかについての議論が必須である。
 7項目改正案は、以上のような国民投票の公正を担保し、投票結果に正しく国民の意思が反映されるための措置については全く考慮されていない欠陥改正法案である。結果の公正が保障されない国民投票法のもとで、国民投票は実施できない以上、7項目改正案を急いで成立させる必要性も合理性も全くないことは明らかである。

4 憲法審査会における審査の在り方

 憲法審査会(前身の調査会も含めて)の審議は、政局を離れ、与野党の立場を越えて合意(コンセンサス)に基づき進めるというのがこれまでの慣例である。憲法審査会では、多数派による強行採決は許されない。また、国民の意思とかけ離れて議論することももとより許されないはずである。
 2017年5月に、当時の安倍首相が2020年までに改憲を成し遂げると宣言し、2018年3月に、自民党4項目の改憲案(素案)を取りまとめ、その後2018年6月に、公選法並びの7項目改正案与党らが提出している。同法案が、安倍改憲のために急ぎ間に合わせで作られたものであることは、経過から明らかである。7項目改正案を成立させることは、自民党改憲案が憲法審査会に提示される道を開く環境を整えるだけである。
 今、国民は憲法改正議論を必要と考えていない。7項目改正案を急ぎ成立させることは、国民の意思ではない。
                                       以上
2021/04/22
今夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催すべきでない
世界平和アピール七人委員会は、4月20日、「今夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催すべきでない」とするアピールを発表しました。同委員会の一四六番目のアピールです。以下全文です。

今夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催すべきでない

世界平和アピール七人委員会                
大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進
2021年4月20日
 開会式まで100日以内になり、オリンピック・パラリンピックの日本代表選手全員の最終的な決定をすべき時期となり、聖火リレーも始まった。ところが代表選考ができていない種目では、代表を過去の成績で決めるという異例のことが起きている。聖火リレーでは公道でない場所で関係者だけで形ばかりを行ったことにする府県が出始めている。
 これは、新型コロナウイルス感染症COVID-19とその変異種の感染まん延が急速に広がっているためである。政府は、「まん延防止等重点措置」を次々に指定しているが、感染拡大に歯止めがかかっていない。政府が委嘱した専門家が科学的データに基づいて第4波到来とみているのに、政府は科学の軽視・無視を繰り返している。ワクチン接種は遅れていて、変異種に対する効果も解明中で結論に達していない。検査体制も広げられないままである。
 国内の医療体制は、すでに限界を超えた地域がではじめており、必要不可欠な病床・医療関係者の確保もできていない。世界の感染状況を見ても、ワクチン接種は進んでいるものの、依然として各地で感染拡大が続いていて収束に向かっていない。
 1万5000人という選手、その他審判、役員、スポンサーが世界の感染まん延地からまん延状態が急速に拡大している日本に集まり、非常に多くの大会ボランティアを動員する渦中において、市民と接触させないでオリンピック・パラリンピックを安全に行える実効案は何ら示されていない。
 オリンピックを開催するとすれば多くの医療関係の人員や資源をさかなくてはならないが、それが国内の医療従事者のいっそうの過重負担を招くことは明らかである。そうなれば人命を犠牲にした開催となる可能性が十分にあるが、それは言うまでもなく平和の祭典であるはずのオリンピック・パラリンピック開催の趣旨に合致しない。
 リスクが否定できない以上、安全の側にたって、今夏の東京オリンピック・パラリンピックを行わないという決定を速やかに下すのが当然である。
                
2021/04/22
ミャンマー取材の記者を釈放せよ!
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は4月21日、ミャンマー国軍が北角裕樹記者を拘束したことに抗議し、釈放を求める声明を発表しました。日本政府の断固たる措置を求めています。

ミャンマー軍の日本人記者拘束に抗議し、断固たる対応を日本政府に求める

 ミャンマーで取材中の北角裕樹氏が4月18日夜、軍・治安当局によって逮捕・拘束された。
 国軍による残虐な弾圧とそれに対する民衆の不屈の抵抗を報道してきた北角氏に対し、当局は「偽情報を流布した」という根拠のない罪名をかぶせて氏をインセイン刑務所に監禁した。この行為は、武力クーデターを起こしたミャンマー軍が真実の報道をどれほど恐れているかを示したものである。氏は日本経済新聞社を退社後フリー・ジャーナリストとしてミャンマーの取材を行なってきた。2月末にも一時拘束されたがその後もSNSを通じて「国軍側の悪辣さ」を発信し続けてきた。

 ユネスコによれば2月1日のクーデター後、71人のジャーナリストが不法に逮捕され、半数以上がいまだに拘束されたままとなっている。ドイツの通信社記者は3月に13日間拘留の後、国外退去となった。だが訴追・有罪となれば禁錮3年となる可能性もある。
 国内のメディアに対する免許取り消しや記者拘束は今も続く。主要な新聞は3月17日までに発行が止まった。ネットによる情報も遮断されたが、軍による過酷な弾圧を記録した動画はすでに世界中に流出した。国民が職場を放棄する不服従運動のなか、殺された市民は18日までに737人にのぼっている。
 ミャンマー軍は2007年9月にも取材中の映像ジャーナリスト長井健司氏(50)を至近距離から銃撃して殺害している。
 こうした不法行為はミャンマーの内部問題ではなく、人権と民主主義、報道の自由が蹂躙されるという点で明白な国際問題となっている。日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、ミャンマーの国軍・治安当局が行った北角氏逮捕に強く抗議するとともに、氏を直ちに釈放するよう求めるものである。

 菅義偉首相は19日、北角さん拘束問題に対して「現地大使館で全力で事実関係を確認中だ。邦人保護には万全を尽くす」と、通り一遍の発言を行なった。ミャンマー国軍とは政治的にも経済的にもつながりの深い日本がいつまでも傍観者でいてよいはずはない。ミャンマーの民主化を逆行させないためにも、北角氏の生命の安全のためにも、日本政府がただちに国軍に対する断固とした行動を開始するよう要求する。
         2021年4月21日
                         日本ジャーナリスト会議
2021/04/16
デジタル法案についての緊急声明
 デジタル監視法案は、あまり議論がないままに衆院を通過し、参院にで審議が続いている。「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」は、4月6日、抜本的改正を求める緊急声明を発表した。

デジタル監視法案の衆議院本会議採決に強く抗議するとともに
   参議院での慎重審議と抜本的修正を求める法律家・法律家団体の緊急声明
              2021年4月6日


                        デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク

 本日、衆議院本会議において、デジタル改革関連5法案(デジタル監視法案)が、自民党、公明党などの賛成多数で採決された。私たちは、個人情報の保護、プライバシー権の保障を徹底し、国家による市民監視を許さない立場から、デジタル監視法案に断固として反対するものである。今回の採決は、市民の反対や慎重審議を求める多くの声を完全に無視する暴挙であり、強く抗議する。

1 拙速な審議と採決に強く抗議する

 デジタル関連5法案は63本の束ね法案からなるにもかかわらず、審議時間はわずか27時間であり、圧倒的に審議が足りていない。法案提出後に資料の誤りが多数発覚し、国会への報告も遅れるなど手続き的にも不備があった。憲法13条(個人の尊重、プライバシーの権利)、同92条、同94条(地方自治)、国家行政組織上の問題など、基本的人権と民主主義の基盤に関わる重要な問題が山積みであり、それが28項目にも及ぶ附帯決議に象徴されている。
 政府は、月内の成立を目指すとされているが言語道断である。参議院における審議は、衆議院で審議が尽くされていないデジタル監視法案の数多の問題点について、国民の疑問に答えるためにも、ひとつひとつ十分な審議を慎重に尽くし、特に以下に述べる重大事項について抜本的な修正を施すことを強く求める。与党らがこれらの抜本的修正に応じない限り法案は、廃案にすべきである。

2 個人情報の保護・プライバシー権(憲法13条)と知る権利(憲法21条)の保障が不可欠である

 法案は、個人情報の利活用を優先し、個人情報の保護を後退させるものである。
 法案には、自己情報コントロール権を明記するともに、EU一般データ保護規則(GDPR)に準拠して個人情報の取得、保有、利用、提供のすべてに情報の主体である個人の同意原則を徹底保障することが必要である。目的外利用、第三者提供について同意を不要とする例外規定(整備法による改正後の個人情報保護法69条2項2号、3号及び4号)の見直しは必須である。インターネット、監視カメラ、顔認証システム、GPSシステム等により大量の個人情報が集積される現状において、公権力が個人情報を収集、検索、利用するには、その範囲を必要最小限にするとともに、個別に法的権限を明記し要件を厳格に定める法整備が不可欠である。
 また、自己のいかなる情報が公権力により収集され利用されているのかについて市民の知る権利が保障されなければならない。行政機関個人情報保護法10条2項1号2号の改正をはじめとして情報公開制度の実効性を高めるとともに、公文書管理のさらなる徹底を図ることが、デジタル化推進の前提である。森友加計学園や南スーダンPKO日報問題等々の教訓から、公文書管理と情報公開制度の充実が、デジタル化推進の本来の目的の一つであったにも関わらず、法案はこの点について何も触れていない。
 さらに、法案は、個人情報保護委員会に監督を一元的に委ねているが、政府から独立した機関ではなく、個人情報については特定個人情報に関して認められている省庁への命令権限が付与されておらず、組織の規模や人員の確保、予算措置等は不明であって、監督・監視機関としては決定的に不十分である。特に公安警察、公安調査庁、内閣情報調査室の活動に対する監視は、秘密保護法が制定された後も、現行制度では機能していない問題がある。その点も含めて政府から独立した強い権限を持つ個人情報保護のための監督・監視機関の設置が必須といえる。 

3 国家・警察による市民監視を厳格に禁止し又は規制する立法措置が不可欠であること

 デジタル監視法案のもとでは、各省庁と地方自治体の情報システムが、すべて共通仕様化され、デジタル庁に一元管理される。さらに、マイナンバーによって、健康情報、税金情報、金融情報、運転免許情報、前科前歴情報などが今後紐づけされて一覧性の高い形で利用が可能となる。これは、市民のセンシティブ情報を含むあらゆる情報を政府が「合法的に」一望監視できる国家、すなわち「監視国家」の体制整備を意味する。内閣総理大臣を長とするデジタル庁は、内閣情報調査室と密接な関係を持ち、デジタル庁が集約した情報は、官邸・内閣情報調査室を介して警察庁・各都道府県警察と共有されることが強く疑われる。
 これらの監視国家化を禁止又は厳格に規制するための法的措置が不可欠である。

4 デジタル庁は、内閣総理大臣に強大な権限を与え統治のシステムを歪め、IT等企業と行政の癒着、利権の温床となるおそれがあること

 内閣総理大臣を長とする強力な総合調整機能(勧告権等)を有するデジタル庁は、内閣に設置され、ガバメントクラウドを統括管理し、予算配分を担うことになり、他方で、各省庁、地方自治体、教育機関、医療機関等は、デジタル庁の勧告に対して尊重する義務を負う。このような異質な統治システムがなぜ必要なのかについて、議論が尽くされていない。 
 また、デジタル庁の職員は民間企業から多く採用されており、行政と企業の癒着によって行政が歪められるおそれがある。

5 地方自治の侵害

 デジタル監視法案は、これまでの分権的な個人情報保護システムの在り方を根本から転換し、国による統一的な規制を行うとするものである。このような制度は、各公共団体において、住民との合意のもとで構築してきた独自の個人情報保護の在り方を破壊し、公共団体による先進的な個人情報保護制度の構築を後退させるものになりかねない。自治体において収集した個人情報をどのように管理するかは、自治事務の一環であり、国がこれを一方的に支配・統合することは、地方自治の本旨(憲法92条)、条例制定権(憲法94条)に違反する。

6 結語

 デジタル監視法案は、上記の点以外にも、そもそも誰のためのデジタル化推進かという立法事実の議論をはじめ、転職時における使用者間での労働者の特定個人情報の提供を可能とする、国家資格をマイナンバーに紐づけて管理するなど、極めて問題が多い法案である。
 慎重にも慎重な審議が必要である。特に、個人情報保護の徹底とプライバシー権侵害の危険の払しょく及び警察権力の規制をはじめ監視国家化防止策が徹底されない限り、デジタル監視法案は、廃案にすべきである。 
                                       以上 
2021/04/13
福島原発・汚染水海洋放出に抗議
 政府は13日、トリチウムを含んだ福島原発・汚染水の海洋放出を決定した。
 以下は、全漁連の抗議声明全文。


アルプス処理水海洋放出の方針決定に強く抗議する

JF全漁連会長声明

 本日、国はアルプス処理水海洋放出の方針決定を行った。
 4月7日、我々は菅義偉内閣総理大臣に対し、「漁業者・国民の理解を得られないアルプス処理水の海洋放出には、JFグループとして断固反対」であることをあらためて申し入れ、慎重な判断を強く求めたところである。それにもかかわらず、本方針が決定されたことは極めて遺憾であり、到底容認できるものではない。ここに強く抗議するものである。今後とも、海洋放出反対の立場はいささかも変わるものではない。

 国は、汚染水対策の過程における福島県漁連の要望に対し、アルプス処理水について関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないことを明確に回答しており、なぜ関係する漁業者の理解を得ることなくこの回答を覆したのか、福島県のみならず全国の漁業者の思いを踏みにじる行為である。
 全国の漁業者、国民の不安を払拭するため、次の事項について、国としての対応をあらためて強く求めるものである。

1.漁業者・国民への説明
 全国の漁業者をはじめ多くの国民から海洋放出反対の意見が出されてきた中で、国として、なぜ海洋放出の方針決定を行ったのか、漁業者・国民に責任をもって説明することを求める。

2.風評被害への対応
 海洋放出の方針決定により当面生じる風評被害と、将来、実際に海洋放出が行われた場合に生じる風評被害に、国の責任においてどのように対処するのか、明確に示すことを求める。

3.アルプス処理水の安全性の担保
 海洋放出されるアルプス処理水の安全性を、どのように国内外に説明し、担保していくのか、国の責任において具体的かつ明確に示すことを求める。

4.漁業者の経営継続
 福島県ならびに近隣被災県の漁業者、そして全国の漁業者が安心して子々孫々まで漁業が継続できるための方策を、国の責任として明確に示すことを求める。

5.継続保管等の継続的検討
 半減期効果を念頭に置いた敷地内における更なるタンク増設による保管継続や新たな処理・保管方法等の検討など、あらゆる可能性について国の責任で継続的に検討・実施していくことを求める。

   2021年4月13日
全国漁業協同組合連合会 代表理事会長 岸 宏

管理  

- Topics Board -