2025/08/24
敗戦後の日本で米国の男性と恋に落ち――。
米国在住の桂子・ハーンさんの半生を舞台化
東京・大手町で8月27日まで
敗戦による占領軍の支配下、米兵と結婚し、海を渡った日本人女性の半生を追った「WAR BRIDE―アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン―」が東京のよみうり大手町ホールで上演されている=写真。
原案は、2022年12月にTBSで放映された「WAR BRIDE 91歳の戦争花嫁」。日本に駐留していた米兵と結ばれて二十歳のときに結婚した、桂子・ハーンさん(94)=横浜市出身=の歩みを追ったドキュメンタリーだ。米国では夫のフランク・ハーンさんの実家があるオハイオ州に住み、家族に温かく迎えられたものの、敗戦国の女性への周囲の冷たい視線は、夫妻の子どもにも向けられた。
舞台では、異国での人種差別に耐えながら、生け花や書道など日本の文化を広め、「日米の架け橋」となった主人公の姿が描かれる。「愛した人が米国人だっただけ」というせりふは、実際に桂子さんが語った言葉だという。
俳優の奈緒さんが主役を務め、ウエンツ瑛士さんがフランクさんを演じる。そのほか高野洸さん、山口馬木也さん、占部房子さんらが出演している。
フランクさんは2006年に他界した。桂子さんは今も米国で暮らし、戦争の記憶や自身の経験を次世代に伝える活動に力を注いでいる。
東京公演は27日まで。9月6、7日は兵庫県西宮市の同県立芸術文化センターで、13、14日は福岡県久留米市の「久留米シティプラザ ザ・グランドホール」で上演。詳細は
「WAR BRIDE」の公式ホームページ。
(M・M)