点描
2025/08/13
舞台「ほうせん花Ⅳ 記憶と継承」
東京・荒川で上演
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 太平洋戦争中、朝鮮半島から名古屋市の三菱重工業の軍需工場に動員された、朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊の過酷な労働と戦後の裁判闘争を題材にした舞台「ほうせん花Ⅳ 記憶と継承」が8月9日、東京都荒川区の日暮里サニーホールで上演された=写真。「愛知・県民の手による平和を願う演劇の会」(同市)が2003年に初演した作品で、関東では初めて。午前、午後の2回の公演で500人以上が集まり、日本の植民地支配下での史実に目を向けた。
 朝鮮女子勤労挺身隊は、戦争末期、朝鮮半島から日本に動員された女性たちだ。名古屋市にあった三菱重工業名古屋航空機製作所道徳工場には、約300人の女性がつらい労働を強いられた。また東南海地震(1944年12月)では建物倒壊で6人が犠牲になったという。
 日本の敗戦で解放された女性たちだが、多くは賃金などの労働補償を受けず、帰国後も苦しんだ。舞台では、自身の尊厳の回復を求めて闘う女性たちの姿を、支援者らが日本の若者たちに伝えるかたちで描いている。
 今回の公演は、戦後80年にちなみ、同会と高麗博物館(東京都新宿区)が企画した。
 なお、同博物館では、「なぜ『朝鮮人』が戦犯になったのか~戦後80年を経てなお続く植民地主義を問う~」と題する企画展を9月28日まで開催。詳しくは同博物館のホームページ
(M・M)
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