2025/04/11
いじめ問題テーマの舞台「親の顔が見たい」
劇団文化座がアトリエ公演
東京・田端で4月11日まで
青森県立高の美術教師で劇作家の畑澤聖悟さん(60)作の舞台「親の顔が見たい」が東京都北区田端3の文化座アトリエで11日まで上演されている=写真。深刻化するいじめの問題をテーマにした会話劇だ。
舞台は私立の女子中学校。いじめを苦に生徒の一人が自ら命を絶った。遺書には5人の級友の名が記されており、学校側がその親や保護者に事情を聞くことになった。「うちの娘がそんなことをするはずはない」と必死に否定する親たち。だが、面談が進むうちに意外な事実が分かってきた――。
教育や平和、戦争などに視点を置いた作品づくりで知られる畑澤さんの代表作の一つ。東京で2008年に初演された。今公演を主催する劇団文化座の佐々木愛さんは「現役の教師が自らの体験を踏まえた問題作。登場人物の心の奥底をのぞき込むような緊張感がある」といい、演出を手がけた西川信廣さんは「いじめが起きる背景には貧困や格差、社会的な不平等など現代の社会が抱える問題があり、私たち大人がその社会をつくっている」と語っていた。
文化座では今秋(10月17~26日)、教育をテーマにした畑澤さん作の戯曲「蛍の光、窓のイージス(仮題)」を上演する予定。問い合わせは同劇団(03・3828・2216)。
(M・M)