点描
2024/03/16
「筒井康隆笑劇場」 東京で上演
高平哲郎さんが企画、演出
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 不条理やブラック・ユーモアなど、作家の筒井康隆さん(89)が描く世界観を舞台化した「筒井康隆笑劇場」が3月8~14日、東京都渋谷区のシアター・アルファ東京で上演された。
 筒井さんと親交を重ねる劇作家、演出家の高平哲郎さん(77)が「笑いの実践集団」の第一弾として企画した。筒井さんの著書を長く愛読してきた高平さん。筒井さんが「ことば狩り」などに抗議して“断筆宣言”をした翌1994年、東京で「筒井康隆断筆祭」が開かれたときは、高平さんが演出を手がけ、ジャズピアニストの山下洋輔さんらが出演した。
 「自分たちと異なるものは排除するという風潮は、昭和の時代からまったく変わっていない」(高平さん)といい、筒井さんが皮肉や笑いをまぶして社会に突きつけたものを表現したのが今回の「笑劇場」と言える。第一弾では「一について」「乗越駅の刑罰」「ヒノマル酒場」=写真、伊藤格さん撮影=など、筒井さんの短編からナンセンスやパロディーなどの要素が強い6作品を選び、寸劇や朗読などで紡いだ。俳優の小堺一機さん、竹下景子さん、松田洋治さんらが出演し、「大人のエンターテインメント」を披露した。今後も「筒井ワールド」を題材に「笑いの実践集団」の活動を続ける予定だ。
(M・M)
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