点描
2023/12/24
孫文の盟友、宮崎滔天に光を当て
流山児★事務所公演 「夢・桃中軒牛右衛門の」
東京・下北沢で12月24日まで
105-s-1.jpg
㴞天を演じるシライケイタさん(手前)
 熊本県出身の自由民権思想家、宮崎滔天を題材にした舞台「夢・桃中軒牛右衛門の」が東京・下北沢の駅前劇場で上演されている。劇作家の宮本研さんの戯曲で、中国の辛亥革命(1911年)を主導した孫文を支え、西欧の列強に苦しめられるアジア諸国の解放を志した姿が描かれる。
 「天下の乞食に錦を着せ、車夫や馬丁を馬車に乗せ、水飲み百姓を玉の輿、四海兄弟無我自由」(「落花の歌」)を志し、アジアを駆け巡っていたという宮崎㴞天。舞台では、㴞天が突然、「桃中軒牛右衛門」を名乗り、浪曲師となるところからストーリーが展開する。㴞天自身の革命は失敗したが、その思いを浪曲で表現し、亡命中だった孫文と出会って意気投合し、支援を決意する。
 昨年8月に初演され、今回の再演では劇作家の詩森ろばさんが、脚本の脚色を担当した。㴞天と同じように自由民権を希求した妻槌子やその姉の思いも織り込んだ。流山児★事務所代表の流山児祥さん(76)は滔天の故郷、熊本県荒尾市で生まれ育った。「現代の日本も民主主義の危機といえる。激動の時代に夢を諦めなかった人々がいたことを伝えたかった」と語る。㴞天は劇作家、演出家のシライケイタさんが演じている。
 12月24日まで。詳細は、流山児★事務所のホームページ
(M・M)
管理  
- Topics Board -