点描
2024/05/05
「武力で平和はつくれない!」
東京での憲法大集会 3万2000人が参加
111-s-1.jpg
「辺野古の新基地建設反対は沖縄の民意」と訴える高里鈴代さん
=東京都江東区で
 日本国憲法施行(1947年)から今年で77年。5月3日の「憲法記念日」は全国各地で平和や人権をテーマにした集会が開かれた。東京・有明の東京臨海広域防災公園であった憲法大集会には、「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を」のスローガンのもと、約3万2000人が集まった。
 メインステージでは、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合から、弁護士の長尾詩子さん(安保関連法に反対するママの会・発起人)が登壇。命と平和を守るための連帯を呼びかけた。続くリレートークは原発事故被害者団体連絡会代表の武藤類子さんが発言。「原発回帰や武器輸出、米国との貿易協力強化などこの国の危うい状況を変えていくには一人一人、そして一つ一つの行動がとても重要」と強調した。
 沖縄の基地問題については「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」共同代表の高里鈴代さんが、宜野湾市にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け政府が自治体の職務を代行する「代執行」に踏み切ったことを強く批判した。札幌からは「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長で整形外科医の猫塚義夫さんが駆けつけ、今回のパレスチナ・イスラエル戦争で計約4万5000人の命が奪われたことを報告。「武器では平和は守れない」と力を込めた。
集会後はパレードが行われ、参加者らは「改憲発議は許さない」、「ジェンダー平等を」などの声を上げた。
(M・M)
2024/03/31
「シングルファザーになりまして。」
東京・高円寺で3月31日まで
110-s-1.jpg
「シングルファザーになりまして。」の1場面=石崎五義雄さん撮影
 劇作家、山谷典子さん(47)の新作「シングルファザーになりまして。」が東京都杉並区高円寺北2の「座・高円寺」で3月31日まで上演中だ。
 主人公は、32歳の年の差がある女性と再婚した中華料理店の経営者。還暦を迎えて娘が生まれたものの、妻が生後3カ月の娘を置いて出ていってしまった。途方に暮れる「60歳のパパ」に、夜間保育園の園長や保育士、同じ園に預けるシングルマザーら保護者たちが手を差し伸べた――。
 自身も6歳の長男を育てる山谷さん。米国から始まった「#MeToo」運動を受け、女性が声を上げることが批判されない世の中になってきたが、「依然として『母親はこうあるべきだ』という重圧は続いている」。同時に「子どもを産まない」と決めた女性に対しても冷たい視線が向けられることがあり、「評価をし合う人間関係や社会が、私たちを生きづらくさせている」。舞台では、家を出た妻が、夫と「対話」がなかったことを訴える場面があり、育児に奮闘する男性の姿を通して、女性たちが直面する問題を浮き彫りにしている。
 29日の公演のアフタートークに登場した劇作家の永井愛さんは、「山谷さんの実体験が盛り込まれていたと思う」と述べ、「シングルファザーになったからといってすぐさま女性たちが置かれた状況を理解し、人権を尊重するわけではない。どうすればそれぞれが自分らしく生きられる社会を築いていけるかが問われている」と語った。
 詳細は「演劇ユニットRing-Bong(リンボン)」のホームページ。
(M・M)
管理  
- Topics Board -