点描
2024/11/29
流山児★事務所公演
劇作家、高取英さん作の「冥王星の使者」
東京・新宿で12月1日まで
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「冥王星の使者」の1場面=横田敦史さん撮影
 劇団「流山児(りゅうざんじ)★事務所」の舞台「冥王星の使者」が東京・新宿の「新宿スターフィールド」で上演されている。太平洋戦争の開戦前夜、ある宗教団体が弾圧された事件に義経伝説を絡ませた奇想天外な物語だ。
 アマテラスに奪われた地上の統治権を取り戻そうとする宗教団体が「不敬罪」で弾圧された。京都の下宿で、平安末期から鎌倉初期にかけての武将、源義経の恋人といわれた静御前の夢を見ていた学生の高橋は、いつの間にかこの教団の世話をすることに。そして教団は国家権力との全面戦争へと向かっていく――。
 作者は劇作家、演出家の高取英さん(1952~2018年)。詩人、劇作家の寺山修司の演劇実験室「天井桟敷」の活動に関わり、83年の寺山の他界後は、「暗黒の宝塚」とも称された「月蝕(げっしょく)歌劇団」を旗揚げした。「冥王星の使者」は、作家の故高橋和巳さんの代表作の一つで戦前から戦中にかけての宗教団体への弾圧を描いた「邪宗門」に着想を得たもので、流山児★事務所の前身の「演劇団」の解散公演(84年)のために創作したという。
 今回は、流山児★事務所の創設40周年記念として、再び舞台によみがえった。同劇団代表で高取さんと親交を深めた流山児祥さん(77)は「時間とは、歴史とは、宇宙とは、人間とは何か。小劇場の中で小宇宙を体感できる」という。12月1日まで。詳細は流山児★事務所のホームページ
(M・M)
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