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2025/05/16
平均年齢68歳の劇団 「シアターRAKU」
あちゃらかオペラ「夏の夜の夢」 東京・早稲田で
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「夏の夜の夢」に出演するシアターRAKUのメンバーと流山児祥さん(後列右端)=東京都新宿区で

 女性中心のシニア劇団「シアターRAKU」の舞台「夏の夜の夢~嗚呼!大正浪漫編~」が、東京都新宿区早稲田町の「Space早稲田」で上演中だ。平均年齢68歳のメンバーらが、歌と踊りを織り交ぜた、パワフルな演技を披露している。
 恋の逃避行をするカップルが「三笠の森」に迷い込んだところから、ストーリーが展開する。森には、けんかばかりしている妖精の王と女王がいたが、いたずら者のガタロから不思議な花の汁を振りかけられた女王は、あらぬ相手と恋に落ち、夜の森は大騒ぎ――。
 シェイクスピアの「夏の夜の夢」が原作。劇団黒テントの劇作家、山元清多さん(1939~2010年)が大正時代の物語に脚色した。「あちゃらか」と呼ばれた浅草オペラのような歌入りの芝居で、09年にオペラシアターこんにゃく座が初演し、山元さんの没後15年の今年、シアターRAKUがステージによみがえらせた。
 RAKUは「中高年で新たな演劇の流れをつくろう」と劇団「流山児★事務所」代表の流山児祥さん(77)が呼びかけ、1998年に東京で旗揚げ公演をした。当初は「楽塾」の名で年1回の公演を中心に活動を続け、17年、創設10年を迎えるにあたり、シアターRAKUに改名した。今回の舞台には47~81歳のメンバー15人が出演する。最高齢の永田たみ子さんは、もとは「ファッション業界で企画デザインの仕事をしていた」と言い、70代半ばで参加した。「年齢という『魔物』に支配されないことがシアターRAKUの魅力」という。
 上演は5月17日まで。詳しくは流山児★事務所のホームページ
(M・M)
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