点描
2025/09/13
舞台俳優、服部吉次さんと石井くに子さん
9月14日に「ラストデイ・ライブ」
東京・阿佐谷で
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服部吉次さん(前列中央)、石井くに子さん(同左)と公演の出演者、演出家ら=東京都内で明珍美紀撮影

 劇団黒テントの創設メンバーで俳優の服部吉次さん(80)と、パートナーの石井くに子さんら個性派俳優による公演「おかしな4人のまじめな悪だくみ」が東京都杉並区阿佐ケ谷北2の「ザムザ阿佐谷」で上演中だ。最終日の14日は服部さん夫妻による「ラストデイ・ライブ」だ。
 舞台は4つの作品で構成される。服部さんは「カフカの断食芸人」を原作にした「腹ぺこ親父(おやじ)」、石井さんはアルトゥル・パウィガの「青い光の中で」をオリジナルの脚色をほどこして上演。そのほか、個人演劇企画「けさらんぱさらん商会」を主宰する渡辺修さんが別役実さんの戯曲「風のセールスマン」、俳優のコトウロレナさんと島本和人さんが、池端俊策さん作のドラマ「仮の宿なるを~カオルの留守番」を、コトウさんの脚色、演出で披露している。
 服部さんは作曲家、服部良一さんの次男で、小学生のときに故ジャニー喜多川氏の性被害に遭い、そのトラウマに苦しんできた。服部さんが所属する黒テントは、日本のアングラ(アンダーグラウンド)劇団の草分けの一つだが、演劇界に身を置くようになったのは「これまでの芸能界とは異なる世界をつくろうとの思いがあった」と振り返る。その服部さんが2023年7月、自身の性被害を告白した。カウアン・オカモトさんら元ジャニーズJr.の男性らが声を上げたことに「背中を押された」という。
 今回の公演は、同商会の番外編として企画され、千秋楽の14日は服部さんと石井さんによる音楽ライブが行われる。服部さん夫妻の次男、有吉(ゆうきち)さんはカナダで活躍するバレエダンサー兼振付家。「私たちも近い将来、次男一家が住むカナダのセントジョンズに移住する」と石井さんは言い、異国で新たな生活に入る。
(M・M)
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