点描
2024/05/12
こまばアゴラ劇場5月末閉館 40年の歴史に幕
112-s-1.jpg
 劇作家、演出家の平田オリザさん(61)が芸術総監督を務める東京都目黒区の「こまばアゴラ劇場」が5月末に閉館し、40年の歴史の幕を閉じる。現在、サヨナラ公演として「阿房列車」=写真=と「思い出せない夢のいくつか」の二作品を15日まで上演している。
 「いつかはこのときが来ると覚悟していた」と平田さん。新型コロナウイルス禍の影響や昨今の物価高で、「早い決断を迫られた」という。
 こまばアゴラ劇場は、シナリオライターだった父穂生(さきお)さんが1984年、商店街の一角にあった自宅を改装して開業した。その2年後、大学卒業を機に平田さんが支配人に就任し、以来、運営を担ってきた。
 劇場は平田さんが学生時代に旗揚げした「青年団」の本拠地で、若手劇団の発表の場でもあった。青年団の代表作の一つ、「ソウル市民」や岸田国士戯曲賞を受賞した「東京ノート」もこの劇場で初演された。また、首都圏以外の団体と提携プログラムを組むなどして演劇の裾野を広げてきた。
 平田さんは、兵庫県豊岡市に2021年に開学した芸術文化観光専門職大学の初代学長に就任し、青年団の拠点も同市に移った。「アゴラ劇場を応援してくださった方々に感謝したい。今後も若い演劇人のサポートは続けていく」と平田さんは話していた。
 詳細は青年団のホームページ
(M・M)

管理  
- Topics Board -