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2024/06/13
<6月のまんが> あと出しのジャンケンだけが頼りなの    鈴木 彰

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 北朝鮮のミサイル実験には「Jアラート」、中国の軍事演習には「台湾有事」、沖縄辺野古の基地建設には「代執行」、マイナカードに協力しない医療機関には「通報とペナルティ」、子ども・子育て不安には「健保増税」、--国民を脅迫し、敵基地攻撃能力の保有、大軍拡・経済軍事化・軍需拡大・原発推進、軍拡財源確保のための大増税と社会保障切り捨てが強行されている。これらが国民のくらしと安全、日本経済の発展、平和と民主主義を足元から破壊している。腹立たしいのはこれらが、政党助成金と企業・団体献金の二重取り、政治資金パーティーなど「裏金づくり」による大脱税と一体のものであることだ。だから国民の怒りは、自公政権に「時効」を突き付けている。4月の目黒区長選、3つの衆院補選で自民党を全廃させ、とりわけ東京15区補選では、自民を候補者擁立もできない不戦敗に、都民ファーストの候補に9回も応援に入った小池都知事を惨敗させた。5月の港区長選でも自・公両党が推薦した現職を破り、港区都議補選でも自民の公認・推薦候補を敗った。・・・かくて、金権腐敗・強圧政治に固執する自民党政治が終焉を迎えている中で、7月7日に東京都知事選挙が行われる。半年以上にわたって都民と野党の共闘が模索され、5月27日に統一候補の擁立に成功した。これに対して現職都知事は、ぎりぎりの6月12日に「出馬」を表明。「あと出しジャンケン」の効果?と「時効」を迎えた自・公の応援を頼りにしているだけの彼女にはもはや大義がない。今月は「首都決戦」の構造について描いてみた。
2024/05/15
<5月のまんが> 企業献金死守の思いがつい漏れた    鈴木 あきら

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 5月12日放送の『日曜討論』(NHK)で、自民党の政治資金規正法改正に向けた法整備を担当する作業部会座長の鈴木馨祐(けいすけ)衆院議員が「選挙目的、党目的で官房機密費を使うことはありません」と断言した。官房長官以外はだれも知らないことを、根拠もなく「断言」した稚拙さには笑いを誘われてしまった。さらに彼が「再発防止の話と、自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっている」と各党の発言を批判し。企業・団体献金や政治資金パーティーの廃止など、抜本的な改革をめざす野党各党案の狙いが「政局」にあると主張を展開したのには驚いた。この主張は、自民党内での論議を、つい公衆の前で漏らしてしまったものだ。だから自民党の「改革案」には、企業・団体献金や政治資金パーティーを禁止することが出てこないのだ。こんなに分かり易い話はないので、今月はこれを描くことにした。
2024/04/13
<4月のまんが> 国民に説明もなくヌケヌケと    鈴木 彰

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 一昨年(2022年)、ウクライナ侵略戦争を利用して、防衛費をGDP比2%に倍増し、自衛隊に敵基地攻撃能力を持たせるなど、日本の外交・安保を大転換する「安保3文書」を閣議決定した岸田首相は、軍拡財源確保・原発推進・くらしと福祉のデジタル支配、軍事産業の育成と武器輸出解禁、経済秘密保護法など、「安保大転換・大軍拡」を推進。この4月には、これらの「成果」を携えて国賓待遇でアメリカを訪問した。大統領選をめぐるバトルが続くアメリカだが、この手土産なら「バイデン」にも「もしトラ」にも歓迎されると計算しての訪米だが、実はこれにはもう一つの狙いが込められていた。企業献金による裏金づくり・金権・腐敗への政治不信が高まる中で、国民への説明も抜きで進められる「大軍拡・大増税」は、岸田内閣への支持率を大低落させ、何をやっても政権浮揚ができない。この危機を日米首脳会談で払拭したいとの狙いだ。首脳会談は、自衛隊・米軍の指揮統制の枠組み強化、米英豪の安保枠組み「AUKUS(オーカス)」への軍事協力、日米を軸とするフィリピン・韓国・オーストラリアなど「同志国」のつながりの強化、武器の共同開発・生産の拡大などを声明し、岸田首相は「米国は一人ではない、日本はともにある」と極上の笑顔をつくって胸を張り、バイデン大統領は「同盟発足以来、最も重要なアップグレードだ」と述べた。だがこれらは朝日新聞の社説(12日)が「説明なき一体化の加速」と評したように、いずれも国民と議会に説明されておらず、「国民の了解」抜きで政権浮揚が叶うとは考えられない。「バイデン」VS「もしトラ」の混沌たるバトルを視野に、どちらにも喜ばれるものとして、安倍氏ゆかりのスーパーマリオの縫いぐるみと「日本の安保大転換」を手土産に訪米した岸田さん。今月はその「哀愁」を描いてみた。
2024/03/16
<3月のまんが> なぜ飛ぶの?飛んでいないと落ちるから   鈴木 彰

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 3月の岸田内閣の支持率は、前月比1.1ポイント増の18%。2カ月ぶりに増加に転じたものの4カ月連続で1割台にとどまった(時事通信)。昨年末に労働組合組織率が16%台に落ち込んだこととともに、わが国の労働者・国民が信頼できる内閣と組織を持っていないことを表している。年明け早々の能登地震で震源地直近の志賀原発での油漏れ事故や避難路崩壊が、長年にわたる災害対策の手抜きに加えて13年前の福島原発事故の教訓を踏みにじる「原発推進」に舵を切った岸田政治・行政の誤りを明らかにした。内閣支持率の低迷は、防衛費倍増とその財源確保のための増税・福祉破壊、万博やカジノなど大企業のための開発への巨大な財政支出、そのもとで莫大な政党助成金を手にしているにも関わらず、政治資金とその「裏金」の獲得に耽ってきた政府・自民党への国民の審判に他ならない。いまこの政権が生き延びているのは、過去の選挙で「小選挙区制」等によって獲得した「虚構の多数議席」と莫大な政党助成金、嵩にかかった「裏金づくり」があるからにすぎない。これらの条件があるうちに「行けるところまで行く」というのが岸田内閣の戦略となっている。アメリカが沖縄と日本の空でのオスプレイの「飛行再開」を強行した姿になぞらえて、ただ生き延びるために暴走を重ねる岸田政権を「悪政ゴリ押しのオシプレイ」として描いてみた。
2024/02/07
<2月のまんが> 自問して自答したんじゃ「自免党」       鈴木 彰

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 能登半島の震災は240人を超える人の命を奪い、1カ月余りが過ぎても1万4.000人以上が避難生活を余儀なくされている。地震・津波は天災だが、その被害がかくも深刻化する要因のひとつとして「人災」をあげなければならない。わが国の政府・行政が、大軍拡や原発推進、万博・カジノなど大開発には巨大などんどん財政を割くのに、「社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上および増進」という憲法25条が明記する責任を長期にわたって放棄してきたからだ。震源地のすぐ近くにある志賀原発で変圧器から1万9.800リットルの絶縁油漏れが起こったが、これが稼働中だったフクシマの二の舞だったかもしれない。
 「人災」のタネはまだある。企業・団体献金を規制する政治資金規正法と小選挙区制は、自民党に多数の議席とそれに応じた莫大な政党助成金をもたらしたが、自民党は「パーティー券なら企業・団体に売っても良い」とする抜け道を利用して莫大な「ウラ金」を手に入れてきた。やるべきことをやらずに「金権・腐敗」に耽る自民党に世論は内閣支持率16%という痛打を浴びせているが、岸田首相は1月10日、自らが本部長、最高顧問が麻生・菅の元首相、茂木幹事長が本部長代行、疑惑の渦中にある安倍派議員10人を含む38人のメンバーを揃えて「政治刷新本部」なるものを開設し、「派閥の解消」すなわち「裏金づくり組織の再編」によって疑惑を棚にあげようとしている。岸田首相は就任以来、2500回以上「しっかり」という言葉を繰り返しているそうだが、こんなことばかり「しっかり」やられてはかなわない。
 極めつけは、2月に入り「刷新本部」の下部組織として森山裕総務会長をトップに渡海紀三朗政調会長、小渕優子選対委員長、松山政司参院幹事長、梶山弘志幹事長代行ら6人で「調査チーム」をつくって、安倍派・二階派・岸田派の現職議員約90人に対し、キックバックの金額や収支報告書に記載しなかった理由を調べていること。自民党の疑惑を自民党が取り調べるという文字通り「自問自答」で世論をケムに巻こうとは滑稽千万。自らの大犯罪を「しっかり」と免罪する自民党ならぬ「自免党」の姿を描いてみた。

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